平成中のルール改正

オリンピックにおけるトラック競技の実施種目の変遷を辿ったが、実は同一種目の中でもルール変更が行われている種目がいくつか存在している。現在でも世界選手権やオリンピックで実施されている種目に絞って見ていこう。

オムニアム

現在は1日で下記の4種目を行い、ポイント以外の3種目では上位から40p、38p、36p…と点数が与えられ、その持ち点を持ってスタートするポイントレースの結果によって総合順位が決定される仕組みとなっている。

  • スクラッチ
  • テンポレース
  • エリミネーション
  • ポイントレース

しかし2016年秋のルール改正までは、競争系種目に加えてタイム系種目3つも含まれた計6種目を2日間に渡って行い、その各種目の順位の合計が少ない順に最終結果を決める方式で行われていた。

Women's Omnium Elimination / 2019 Track Cycling World Championships Pruszków, Poland

女子の梶原(写真中央)をはじめとして、日本にも注目選手が多数在籍

また、この変更以前にも何度か細かいルール変更が加えられている。新しいが故に移り変わりが激しい種目である。

ポイントレース

オムニアムが現行の4種目に変更されたのと時期を同じくして、ポイントレースはゴール時に獲得できるポイントが中間スプリント時の倍になるようにルール改正が行われた。

最終ゴールで1着を獲得するとラップ獲得時に得られる20pの半分に当たる10pが与えられるようになったため、最後まで目が離せないレースが展開されるようになった。

ケイリン

日本発祥の国際種目として広く認知されているケイリン。国内で行われている「競輪」と国際大会並びにUCIのルール下で行われている「ケイリン」のルールが異なっていることは有名であるが、実はその「ケイリン」のルールも何度か変更が加えられている。

国内で行われているガールズケイリンのルールは先頭固定競争(インターナショナル)と呼ばれているが、それともまた少し異なっているため注意したい。

直近では2017年に大幅なルール改正がなされている。この際に特に大きく変更されたのがペーサー離脱のタイミングの繰り上げであり、このルール変更はレースをより活性化させることとなった。

チームパシュート

現在は男女共に4名の選手によって4kmの距離で争われているチームパシュートであるが、2013年中頃までは女子のみ3名の選手によって3kmの距離にて行われていた。

Women's Team Pursuit / 2019 Track Cycling World Championships Pruszków, Poland

女子チームパシュート

自転車競技のタイム系種目で男女間のルール統一がなされたのはこのチームパシュートが初めて。尚、タイムトライアルや個人パシュート、チームスプリントは依然として男女で距離や人数が異なったままである。

UCIワールドサイクリングセンター開設