いよいよ2月27日より開催される『UCIトラック世界選手権2019』は、開催国枠が設けられていない東京オリンピックに出るため、日本にとって超重要な大会だ。その理由についておさらいしよう。

世界選手権は文字通り、世界No.1を決める戦い。だからこそ、シーズン最後に締めくくりとして行われる。ここでの優勝者が1年間、チャンピオンの証である虹色のジャージ”アルカンシェル”の着用が許される。

世界選手権はトラック競技選手にとって最高峰の名誉を勝ち得る機会でありながら、当然にオリンピック出場枠にも大きな影響を持つ大会なのだ!

トラックワールドカップの重要度についての記事も併せてご一読ください。

なぜトラックワールドカップがオリンピック出場へ向けて重要なの?

世界選手権の立ち位置

UCIポイントを獲得する為の大会の重要度やポイント配分の高さは上から順に4年に1度のオリンピックと世界選手権、大陸選手権(アジア選など)、ワールドカップ、その他国際大会(ジャパントラックカップなど)であり、大会のグレードや成績によっては世界選手権やオリンピックに出場出来なくなる場合もある。

(※こちらの記事も一読を)

UCIポイントとは?公認レースの種類には何がある?

その各国際大会におけるポイント配分は以下の図の通り(個人種目)。

2020東京オリンピックへの出場枠は、2018年7月6日〜2020年3月1日の期間中に開催されるワールドカップ(シリーズ全6戦のうち、得点の高い3戦のポイントが対象)/大陸選手権大会/世界選手権大会で得たUCIポイントによって算出される”オリンピックポイント”の合計点によって決まる。つまり、ポイント配分の大きい、世界選手権で一つでも上の順位を獲得し、ポイントを稼ぐ事がオリンピック出場枠へ大きな影響をもたらすのだ。

”オリンピックポイント” 日本の世界ランキングは何位?

世界選手権トラック2018

2018-19トラックワールドカップの全6戦を終え、世界選手権トラックのみを残す現在、日本はオリンピックポイントの世界ランキングでは何位なのか?日本の今の立ち位置を知るために、オリンピックランキングを見てみよう。(※2019年2月現在)

男子

種目 順位
チームスプリント 6位
スプリント 7位
ケイリン 1位
チームパシュート 15位
オムニアム 9位
マディソン 28位

国別のオリンピックランキングのみならず、ケイリンの個人ランキング(オリンピックランキング以外の大会のUCIポイントも計算の対象となる)では1位が河端朋之、2位も脇本雄太と日本勢がワン・ツー状態。日本人選手が世界選手権でメダルを・・・それも金を手にする可能性は十二分に期待できる。

女子

種目 順位
チームスプリント ランキング外※ポイント対象となる大会に参加していないため
スプリント 16位
ケイリン 3位
チームパシュート 13位
オムニアム 6位
マディソン 11位

男子同様、女子ケイリンにおいては太田りゆ小林優香のワールドカップでのメダル獲得が大きく影響し国別ランキング3位、オムニアムでは昨シーズンのワールドカップで優勝歴がある梶原悠未と古山稀絵が交互に出場して稼いだポイントで6位という上位に位置しており、今後もポイントの獲得が大きく期待できる。
※次回の記事では団体種目で得られるポイントが個人種目とは数字が異なるため、団体種目についても説明したい※

2020の栄光へ向け

まだ世界の強豪国との差は大きい。しかし、その差はここ数年で一気に縮まっている。特にケイリンは世界トップレベルであり、頂点が見える位置に日本はつけている。目前へ迫る世界選手権での日本人選手の活躍へ刮目せよ。