1月27日、香港で行われた『2018-19トラックワールドカップ第6戦』女子ケイリンにて、太田りゆが日本史上初となる銀メダルを獲得した。ワールドカップのシーズン最終戦で悲願のメダル獲得を果たした。小林優香は準決勝で落車棄権し、最終成績を12位としている。

本記事は、太田りゆが史上初の銀メダル獲得を果たした2018-19トラックワールドカップ第6戦の女子ケイリンの、恐らく世界で最も詳しいレースレポートだ。

現役世界チャンピオンらが出場

最大7人で走り先着を競う“ケイリン”。大会最終日には女子のレースが実施された。

このレースはトラック6周を走るが、6周のうち最初の3周は先導するペーサーが風除けとなってスピードを上げ、残り3周からが選手たちによるスプリント勝負となる。

この種目に参加したのは26人。日本からは第3戦で自身初のケイリンでのメダルを獲得した小林優香、そして太田りゆの2人が久しぶりの出場した。

この種目で注目となったのは、日本の小林、地元の人気選手であり、前日のスプリントの優勝者でもあるリー・ワイジー(李慧詩)、ドイツの成長株のヒンツェ、そして強豪ゾン・ティエンシー(中国)。

1回戦

4組に分かれた1回戦は2着までが準決勝へと進む。太田は3組、小林は4組での出走となった。

3組:太田

太田は元世界チャンピオンのクルペツカイテ(リトアニア)と地元のリーホイヤン(香港)と同組。スタートすると先導のペーサーの後には太田が続くが、1周したところで隊列を離れ、最後尾にいたリー・ホイヤンの後ろへと位置を下げる太田。

残り3周を切ってスプリント勝負が始まると、外から上がっていくリー・ホイヤンの後輪に付けて一緒に前に出ていき残り1周へ。

先頭にリー・ホイヤン2番手に太田となり最後の半周でリー・ホイヤンを太田が抜きにかかるが、先着はリー・ホイヤン。太田は2着となるも、この組を勝ち抜き準決勝進出を決めた。

4組:小林

小林の4組には世界での実績十分なボイノワ(ロシア)、そしてドイツの若手成長株のヒンツェなど強豪が揃う中、地元誌には注目選手として小林優香の名前が挙げられていた。

小林はスタート時には3番手だったが、最終周回に入る前には最後尾まで位置を下げてしまう。

しかし残り1周で外側から一気に全員をごぼう抜きする驚きのレース展開で、見事に1着でフィニッシュ。準決勝進出を決めた。

準決勝、小林が落車棄権