王者から見る母国オランダチームとは

『東京2020オリンピック』スプリント決勝
Q:これまでで最も嬉しく、アドレナリンがドッバドバ出たレースと聞かれたらどのレースでしょう?
『東京2020オリンピック』の時、チームメートのジェフリー・ホーフラント選手とスプリントの決勝で戦った時だと思います。最も美しく、最も苦しかったスプリントの決勝でした。
3本目までもつれたのですが、最後は休憩時間がとても短かったんです。ジェフリーが1本目を写真判定で得て、2本目は僕が写真判定の結果に勝って、すぐに3本目でした。その時の脚の痛みが人生で最も苦痛だったのですが、勝ったことで人生で最も喜べたレースにもなりました。
Q:そのホーフラント選手とはチームメートで長年トップ争いをしていましたが、日常生活でのやり辛さのような物はありましたか?
我々のすごく良い点としては、いつもチームスプリントで一緒にメンバーに入っていたことです。そのための練習もいつも一緒にしています。大体の大会でチームスプリントが最初の種目になるため、一緒に何かを成し遂げてからの個人レースとなるんです。
個人戦ではもちろん敵同士となりますが、トラックの上でのライバル関係は自転車から降りたら持ち込まないようにしています。ジェフリーとは良い友達の関係です。

(左)ジェフリー・ホーフラント(右)ハリー・ラブレイセン
Q:ラブレイセン選手の一番仲が良い友達って誰でしょう?
挙げるとしたらロイ・バンデンバーク選手とジェフリーだと思います。チームスプリントのメンバーとして既に10年くらい一緒にやっていますからね。とても良い友人です。
Q:次はオランダチームへの質問です。レネ・ウォルフからヒューゴ・ハックとコーチが変わり、今はハック氏が指導をしています。コーチングはやはり凄いのでしょうか?
ウォルフコーチに指導を受けたのはとても短い期間でした。その後にハックコーチになったのですが、そもそもハックコーチとは一緒に走っていた時期もありました。
その時からいろいろ教えてくれる指導者のような存在でしたね。その後、彼が東京五輪までのヘッドコーチになり、その後に1年離れました。そして今再び僕のコーチになってくれています。友人としてもコーチとしても、彼は僕にとって大事な存在です。
Q:日本にいる間も遠隔でトレーニングプランなどをもらっていますか?
来日してから毎日連絡を取って、遠隔でコーチングをしてもらっています。ハックとは一緒にチームスプリントを走ったこともあります。19歳か20歳の時かな。

ヒューゴ・ハックコーチ 元々はオランダ代表の第3走を行っていた
Q:第1走とか、第3走を走ることは考えたことはありませんか?
今のところ速い第2走がチームにいないから、とは思います。ジェフリーもできるとは思いますが、僕が第2走の時の方が速いんです。第1走を試したこともありましたが、チームとしてそこまで速くなく、できないことはないですが、チームの第2走としてトップスピードを上げることが最も有効な自分の能力の使い方だとは思います。
Q:第2走で11秒台で走る人は世界でもあなたとリチャードソンの2人だけ。今後どれだけ速くなりたいか、そういった願望はありますか?もう29歳ですよね?もうピークに達したとは言えますか?
そう思います。24歳くらいが最も良かった年かもしれないです。でも『2025年世界選手権トラック』で4つのタイトルを獲り、実際には予想してなかったことが起きました。パリ五輪のあとに2025年は軽めにいこうと思ってちょっと時間を取ったんです。
年も重ねていますし、今後がどうなるかはわかりません。でもチームスプリントでいえば、チーム内では僕が最も若いんです。

(左)ジェフリー・ホーフラント(中央)ロイ・バンデンバーグ(右)ハリー・ラブレイセン
Q:29歳でチームの中で一番若いというのは大きな問題では?
チームスプリントのメンバーの中で自分が1番若いというのは問題ですよね。まだ今後どうなっていくのかは分からないですが、みんな歳を取ってきているという事実はあります。
その中で去年は世界選手権で4つのタイトルを取って世界チャンピオンになれたので、これが今までで1番多いメダル獲得数になりました。 自分でも予測してなかった結果だったので、すごく嬉しかったです。
正直2025年はパリ五輪も終わり、トレーニング期間を空けて、いつもと違う1年間を過ごしていたので、競技から離れていた時間がありました。「今年はちょっと気楽にいこう」と考えていた年だったなかで世界選手権に出た結果でしたので、驚きでした。