人気・実力ともにトップクラスの選手が集い、連日白熱のレースを展開されている『第68回オールスター競輪(G1)』。

その中で、佐藤慎太郎は2日目「オリオン賞レース」で中野慎詞と、3日目・二次予選Aでは太田海也と、そして4日目・準々決勝では再び中野慎詞と連携。特に、他地区の選手である太田海也との連携は今回が初ということで話題を集めた。

「本人たちにもすごい聞かれたけど(笑)」

ナショナルチームを背負う2選手と、連日レースを展開してきた佐藤慎太郎。
実際に後ろについたからこそ感じた「違い」はあったのだろうか? 突撃取材してみたところ、「本人たちにもすごい聞かれたけど(笑)、評価はしにくいし言いにくいです」としつつ、以下のように語ってくれた。

「(中野とこの開催2度目の連携となった)4日目に関して言えば、嘉永(泰斗/2着)がすごくいい競走をしたのでああいう結果(佐藤が5着、中野が7着)になってしまったけれど、2人とも強かった。それぞれの持ち味があるけど、上がりタイムも変わらないし、打鐘、ホーム、バックのタイムもほぼ一緒。ナショナルチームでのライバル同士らしく、同じくらいの力を持っているなと感じました」

たしかに、中団後方から約2周を駆けるような展開となった両レース(3日目10R/4日目10R)の太田・中野の上がりタイムはともに11秒7となっている。

「悠々とかわせる脚がなくては」

また、自身にとっても刺激に満ちた3日間であったことは間違いないようで、

「世界を舞台に戦う、日本を代表する選手たちの後ろに連続でつかせてもらって、そのスピード感とともに自分との力の差をすごく感じました。あれを悠々とかわせるくらいの脚を作っていかないと、G1という舞台で優勝するのは難しいでしょう」

「これからもどんどんとナショナルチーム出身の選手たちが出てくるはず。自分の力の底上げというのは必要だなと感じます」

と、“限界”を超えて目指していくさらなる高みを語る。

「おじさんが簡単についてこられない力を」

最後に、ナショナルチームの選手たちに望むことは?と聞いてみると、

「おじさんが簡単についてこられないような、ねじ伏せていくような力を身につけてほしいですね。

そのうえで、“慎太郎さん大丈夫ですか?着いてきてますか?じゃあ、いきますよー”って、後ろの面倒を見るような走りができるようになってくれれば。そうすれば、僕らの恩恵も大きくなるから(笑)」

と、“慎太郎流”とも言えるエールが送られた。

「今年は顔だけで選ばれた」

ちなみに、開催5日目は元ナショナルチームの松井宏佑につく形で1着を獲得。

レース直後には「今回は顔だけでオリオン賞に選ばれたと思っているので、来年は走りで票を集められるようにしたい」と大真面目に語り、取材陣の笑いを誘った。最終日は、同じくナショナルチームでの活動歴がある新山響平との連携が見込まれている。

さまざまな形でファンを沸かせた今開催の締めくくりとなる走りにも注目したい。