『トラックサイクリングキャンプ in 日本競輪選手養成所』

2/2 Page

女性アスリートとしての自分との向き合い方

バンクでの練習を終えた夜には、さまざまな講演の機会も。
2日目には、JCF(公益財団法人日本自転車競技連盟)女性スポーツ委員会の沼部早紀子氏を招き、女性アスリートを目指す参加者にとって大切な「コンディショニング」の講義が行われた。

内容は、成長期にあたる年齢で気にするべきこと、女性ならではのトラブルなどがメインとなった。

基礎体温や体重など、数字で現れるコンディションだけでなく、「体がだるい・重い」などの主観的に分かる体調管理の大切さ。成長しきっていない体では負荷の高い練習は控えストレッチをしっかりと行った方が良い……など、これから競技を長く続けるために大切なことが伝授された。

また股ずれによるトラブルを防ぐ対策や月経との向き合い方などの話題も。
「ちょっと相談しにくいこと」について詳しく聞けたと参加者からの声もあった。

走行練習だけでない、貴重な体験に

走行練習だけにとどまらず、規律ある生活や食事管理など、競輪選手として求められることを実際に体験できる貴重な機会となった今回の『トラックサイクリングキャンプ』。
競輪界の未来を担う人材の発掘と育成に向けた重要な取り組みとして、今後も継続的に実施される予定だ。

参加者の声

左:鶴葵衣さん 右: 山口成美さん

鶴葵衣さん

入所試験で使用されるバンクでタイム計測ができると聞いて参加しました。じつは高校に入る前に一度この合宿に参加したことがあり、その時はC班(未経験グループ)で練習していました。今回はA班として参加。バンクの形状やタイムが出やすい走り方など、より具体的な内容を教えていただき、とても勉強になりました。宿泊施設やお風呂、寝る場所なども快適で、過ごしやすかったです。

山口成美さん

昨年まで養成所にいた北岡マリア選手のようになりたいという目標があり、まずは走ってみようと思って参加しました。私も2度目の参加だったのですが、今回初めて400バンクを走りました。ダンシング(立ちこぎ)が難しかったですが、いろいろ試すことができて、良い感触を得られました。

左:野口詩央さん 真ん中:小笠原実莉さん 右:山下喬華さん

野口詩央さん

入所試験と同じバンクで走れることと、他の都道府県の選手と一緒に練習して刺激を受けたいと思って参加しました。250バンクは初めてだったので苦戦しましたが、とても貴重な経験ができたと思います。

小笠原実莉さん

今年入所試験を受ける予定なので、試験に向けたトレーニングと、同期になるかもしれない人たちと仲良くなるチャンスだと思って参加しました。宿舎ではよく眠れましたし、ご飯も美味しくてすごく快適でした。

山下喬華さん

師匠である佐々木恵理選手からこの合宿について教えていただいたのが、参加した大きな理由のひとつです。地元で練習しているバンクとは全然違って、走り方も変えなければならないのが大変でしたが、すごく良い勉強になりました。