2018-2019トラックワールドカップでは、鮮やかな初戦でのケイリン金メダル。そして国内の競輪ではGIを2連勝と飛躍を続ける脇本雄太。真の世界一流の選手となるには「心、技、体」全てが備わっていなければいけない。脇本はその中でも「心」メンタルを重要視している。勝つことで見えてきた、これまでとの違いとは?

レースって、何でも似ている

「最近思うのですが・・・・普通なことなんですけど、F1だとエンジンがあって、ドライバーがいて、コースの緻密なライン取り練習があって。それで、ピットにはレーサーを支えるスタッフがいる。それでレースも、レーサーも成り立っていますよね。自転車競技も似た様なことをしているんじゃないかって思います。」

脇本雄太

「自転車の場合は、各メーカーが空気抵抗や重さのことを考えて作り、エンジンは僕らが頑張ってペダルを踏むことで、そのエンジンの仕様をコーチが考える。また、僕らはコースのライン取りやテクニックもばっちり磨き、いかにタイムを出せるかということを考えている。こういうのって他のレースと同じだなと。そういうことを最近意識し始めました。複合的な要素がバッチリ嚙み合って、1つの結果が出るので、1人で全部やろうとすると失敗しちゃいますね。」

脇本はそう語るが、今まではそのように考えていなかった。世界のトップ選手たちと戦い、メダルを目指してきた過程があるからこそ、ここまで来たら1人では勝てない。チームとして、エースとして、周りを頼ることも必要になってきた。

頼ることが必要