継続に必要な施設再整備のため、大規模なリニューアルがアナウンスされていた京都・向日町競輪場。
京都府が公開した「住民説明会」の資料によると、リニューアルに際して、現在の400mバンクが333mバンクへと生まれ変わることがわかった。
400mバンクから333mバンクへ
1950年に開設、開設記念である『平安賞』のほか、過去には『全日本選抜競輪』『共同通信社杯』『ふるさとダービー』といったビッグレースも開催され、数々の名勝負が繰り広げられてきた向日町競輪場。
施設の老朽化に伴い行なわれるこの改修のコンセプトは、「自転車(サイクル)を通じて、交流・賑わいが循環(サイクル)する競輪場」となること。その実現のために、
・安全・快適で、コンパクトな競輪場
・自転車競技関係者や自転車愛好家が集う競輪場
・地域と共生する競輪場
という方針が掲げられており、その一環として周長が現在の400mから333mへと変更することを発表。「スピード感のあるレースの開催や各種競技大会の誘致などスポーツ性の向上を図る」ことを目的としている。なお、「333バンク」の競輪場は2025年現在前橋、松戸、防府など7場となっている。
あわせて、個室化や女子選手に対応した施設を有す選手宿舎や、アマチュアを含む選手育成のためのトレーニングルーム整備、快適な観戦空間の創出するスタンドなどが主な改修項目。

そのほか、アクセスについても「徹底したソフト対策と、効果的なハード整備」が謳われており、利便性の大きな向上が期待される。
敷地内に「京都アリーナ」(仮称)を建設
また、向日町競輪場では敷地に余裕があることから、未利用地(余剰地)をどう活かすかという議論も進められてきた。
今回の再整備計画では、競輪場の再編に合わせて新たに多目的アリーナ「京都アリーナ(仮称)」の建設も予定されている。競輪場に隣接する形で建設予定のこの施設は、Bリーグ「京都ハンナリーズ」のホームアリーナとして使用されるほか、音楽コンサートをはじめとする文化芸術イベントなどにも対応するものとなる予定で、2028年に開業が見込まれている。
2029年度にリニューアルオープン予定
2024年9月の『平安賞』を最後に、競輪の開催は行なわれていない向日町競輪場。
2025年の秋の国民スポーツ大会『わたSHIGA輝く国スポ』自転車トラックレースの会場として使用されたのち、解体工事などを経て2029年度にリニューアルオープンを予定。
「持続可能な競輪事業の運営」や「地域活性化」を目的としたこの大規模リニューアル計画。自転車文化をさらに発展に導く新施設の誕生に期待したい。