2025年6月2日から6月5日にかけて行われた、日本競輪選手養成所第129・130回生の第1回記録会が終了した。
2日目が悪天候のため順延となり実施された記録会だったが、自転車トラック競技ナショナルチームB所属の小原乃亜をはじめ、男女合わせて6人がゴールデンキャップを獲得。

本記事ではゴールデンキャップ獲得者(長川達哉、伊藤京介、沢田桂太郎、吉川敬介、川上いちご、小原乃亜)をはじめ、記録会直後に行なった各候補生へのインタビューコメントを掲載する。

第129回生 全候補生記録
第130回生 全候補生記録

【写真レポート】“黄金世代”再び?女子は史上初の快挙/日本競輪選手養成所 第129・130回生 第1回記録会

ゴールデンキャップとは?

養成所で行われるタイム測定会「記録会」では、最短は200mから最長は3000m(女子は2000m)までの4種目が実施される。この4種目の総合結果によって候補生のヘルメットキャップの色(帽色)が振り分けられるが、全種目で「特に秀でている」と評価された場合に授与されるのが「ゴールデンキャップ」だ。

ゴールデンキャップ獲得者は候補生のうちからメディアや競輪ファンに一目置かれることとなり、候補生が養成所生活の中で目指すもののひとつである。

ゴールデンキャップ獲得候補生コメント

※タイム太字は今回のトップタイム

長川達哉

200m 10秒96
400m 22秒51
1000m 1分07秒63
3000m 3分42秒40

ゴールデンキャップを取ることができてホッとしています。この記録会に向けてコンディションもしっかりと合わせることができましたし、自分の持てる力は出すことができました。100点だと思います。

Q:ゴールデンキャップリーチで迎えた3000mは、どのような心境でしたか?

3000mはほとんど計った経験がなかったので不安もありましたが、しっかりと走ることができました。ほかの候補生たちからの声援もすごく力になりました。

Q:200mでは10秒台のタイムを記録しました。

ロードをやっていた時はスプリンターとして走っていましたが、ダッシュ力に関してはまだ足りていないと感じています。今回の結果は、練習を積んできたことが活きたと思います。

長川達哉, 第1回記録会, 日本競輪選手養成所(JIK), 第129・130回生

Q:今後に向けての意気込みをお願いします。

ゴールデンキャップ獲得者として、今後いろいろな面で注目されるようになると思います。緊張感を持って、頑張っていきます。

伊藤京介

200m 10秒94
400m 22秒45
1000m 1分07秒45
3000m 3分42秒84

Q:大学時には短距離を中心に好成績を残していますが、最後の3000mでも好タイムとなりました。

3000mは一番不安があった種目だったので、前日はうまく寝られませんでした。しかし、発走機についてからは「自分が出せるものをすべて出そう」と割り切ってスタートすることができ、想定よりも早いタイムで走り切ることができました。夢のような気持ちです。

400mは自己ベストを出すことができましたが、髙橋奏多候補生をはじめ、上位のタイムからは少し差があります。技術的にもフィジカル的にも修正できるポイントが多くあると思います。

Q:3000m終了後、長川候補生と喜び合っている姿が印象的でした。

年齢も近く、普段の生活から長川候補生とは良く話をしています。前日も、3000mの走り方について話していました(笑)。
候補生番号も1番違いで、自分の前を長川候補生が走るケースが多かったので、すごく良い目標になりました。

伊藤京介, 長川達哉, 第1回記録会, 日本競輪選手養成所(JIK), 第129・130回生

Q:今後に向けて、目標は?

ゴールデンキャップを獲得することはできましたが、入所してから、周りと比べて自分が出遅れていると感じていました。
次回は、全種目で一番時計を出せるように頑張ります。

沢田桂太郎

200m 10秒97
400m 22秒34
1000m 1分06秒46
3000m 3分40秒87

Q:ゴールデンキャップ獲得、おめでとうございます。

自分の力を出せればゴールデンキャップを取れるはずだ、と思ってはいましたが、最後までドキドキしていました。

Q:1000mではトップタイムとなりましたね。

最後は全然踏めていなかったので、ここまで良いタイムが出るとは思いませんでした。強い選手になるためのことを考えると、総合力を問われる1000mのタイムは重要だと考えています。次回の記録会では早期卒業タイムを切れるようにしたいです。

沢田桂太郎, 第1回記録会, 日本競輪選手養成所(JIK), 第129・130回生

Q:そのほかの種目でも、軒並み上位のタイムを残しましたが、手応えはいかがですか?

400mは良い走りができたと思います。一方で、200mはもう少しタイムを出せたかなと思います。全体を通じて、75点くらいです。

Q:周りに声を積極的にかけたりと、今回生の中心的な存在となっているように感じました。

年齢も上の方なので、周りを引っ張っていけるようにということは考えています。これまで高校生の指導などもさせてもらってきたことも、この養成所での生活に活きているのかなと感じます。

Q:今後に向けての目標を聞かせてください。

まずは、次回の記録会に向けてもっとタイムを伸ばしていくことを考えています。
またその先では、ロードの舞台でも活躍しながら、ヤンググランプリに出ることを目標としています。唯一無二の存在となれるように、そして自転車界全体を盛り上げていけるように頑張っていきたいです。

吉川敬介

200m 10秒94
400m 22秒63
1000m 1分07秒84
3000m 3分46秒40

Q:『ジャパントラックカップ』直後の記録会となりましたが、見事にゴールデンキャップ獲得。おめでとうございます。

万全の準備ができた中、というわけではありませんでしたが、この結果を残せたのは嬉しいです。競技では順位を競ってきましたが、それとは異なる、タイムを狙う記録会というものを楽しめたと思います。

Q:大学時代からスプリントやチームパシュートなど、オールマイティに好成績を残してきたことが活きましたか?

3000mについては、大学の時の経験が活きたと思います。ケイデンスの感触とタイムが合っていましたし、良い走りができました。ほかの候補生からの声援もたくさん聞こえて、最後まで粘ることができました。一方でそれ以外の種目に関しては、もう少しタイムが出せたと思います。

吉川敬介, 第1回記録会, 日本競輪選手養成所(JIK), 第129・130回生

Q:もう少しタイムが出せた、と感じるポイントはどのあたりでしょうか?

まだ、鉄フレームの自転車に合わせきれていないという部分です。やれることはたくさんあるので、次回は全部の種目でベストタイムを更新したいです。

小原乃亜

200m 12秒04
400m 24秒33
500m 36秒77
2000m 2分40秒43

Q:ゴールデンキャップ獲得、おめでとうございます。

無事にゴールデンキャップを取ることができて、ホッとしました。

Q:2000mに不安がある、ということをお話されていましたが、走ってみていかがでしたか?

前回生のラップタイムを見せてもらっていたので、イメージトレーニングはしていたのですが、いざ本番になってみたら入りが遅くなってしまいました。途中でラップタイムを聞いて「やばい!」と思って上げていき、なんとか滑り込めた感じです(笑)。

Q:見守っていた同期の仲間からも声援が上がっていましたね。

たくさんの声が聞こえて、最後まで踏み切ることができました。本当にありがたかったですし、刺激もたくさんもらっています。

Q:次回以降に向けて、目標を教えてください。

第2回記録会に向けて、全体的にタイムを底上げできるように頑張っていきます。特に2000mは今回の経験を踏まえて、しっかりとラップを刻めるように頑張ります。
ゴールデンキャップ連続獲得はもちろん、早期卒業のタイムを狙っていきたいです。

川上いちご

200m 12秒08
400m 24秒53
500m 36秒43
2000m 2分40秒97

Q:記録会を終えての率直な感想を聞かせてください。

めっちゃくちゃ嬉しいです。特に2000mに関しては、事前養成でのタイム計測で、ゴールデンキャップ獲得の基準まで10秒も足りていませんでした。ほかの候補生にアドバイスをもらい、試行錯誤しながらタイムを縮めることができました。

ただ、この記録会に向けて、特に山田南候補生と良く話をしていたので、一緒にゴールデンキャップを取りたかった、というのが本音です。
(※山田候補生は、初日の200mのみ基準に及ばずゴールデンキャップを逃した)

Q:500mでは、トップタイムとなりました。

小原乃亜候補生が強いのはわかっていましたが、スタートをうまく決められれば勝てるかもしれない、と思っていました。すごく自信になりました。

一方で、映像を見るとフォームもバラバラで、気持ちだけで走っていたような感じでした。無駄になってしまっている力を、自転車が前に進む力に変えていけば、次回はもっと良いタイムが出せると思います。

高橋奏多ら、そのほかの候補生コメント

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