2024年1月1日、能登地方を襲った地震は「令和6年能登半島地震」と命名された。競輪業界としては選手が個々人で寄付を行なっているほか、復興支援競輪の開催、JKAの補助事業として被災地への救援物資配布などを行なっている。

『令和6年能登半島地震復興支援競輪』開催 7000万円を寄付の見込み

「被災地への救援物資」って具体的にどんなもの?競輪とオートレースの補助事業・令和6年能登半島地震

本記事では、JKAの補助事業がどのように震災や緊急の出来事と向き合ってきたのか改めて紹介する。

東日本の際には即時に3億円を資金提供

近年に起こった甚大な被害をもたらした地震といえば、まず筆頭に挙げられるのが2011年3月11日に発生した東日本大震災だろう。

JKAの補助事業としては発生から5日後の3月16日、日本赤十字社に対して3億円の資金提供を行なった。

JKAはこの時の補助事業について「非常災害時に日本赤十字社のネットワークにより、被災地にいち早く援護物資が届けられることから、補助効果も大きかった」と評価している。

平成23年度JKA補助事業について(PDF)

一時的でなく、息の長い支援へ

2011年4月からは「東日本大震災復興支援事業への補助」を開始。これは避難所に救援物資を配布するような「被災直後」の支援ではなく、もっと息の長い「生活に戻っていくため」の支援。

地域における拠点づくり、被災した子ども達の心のケア、被災者相互間の情報共有・ネットワーク化、新たなコミュニティの構築等、被災した地域の再生・活性化のための事業等を行なっており、これは現在も継続。震災から10年以上経った2023年度の採択事業一覧でも、「復興支援」の区分で約1400万円が交付されている。

テーマ別評価「東日本大震災復興支援事業への補助」(PDF)

さまざまな「非常災害等の支援」

2016年4月には熊本地震が発生。これに関して、JKAは「平成28年度非常災害時の救援物資の購入、管理、輸送、供与、又は貸与に関する事業」として6500万円を日本赤十字社に交付。

競輪の補助事業で非常災害救援物資を整備いたしました/日本赤十字社

補助事業は研究補助、自転車競技大会の実施、社会福祉施設の設備購入などさまざまな分野で行われているが、普通は決まった期間に申請を提出し、審査を受け、交付を受けるという流れだ。ただし災害や緊急的な対応を必要とする事業への支援は例外で、「年度内に随時受け付ける」という扱いになっている。

2019年には台風19号等で被災した福祉車輌に対する支援、
2020年からは新型コロナウイルス感染症の拡大防止策に対する支援などもこの区分で実施された。

2023年度は災害支援に2300万円を交付

そして2024年1月1日に起こった能登半島地震。2月21日に更新された2023年度の採択事業一覧を見ると、6件の「能登半島地震による緊急支援」が追加されている。

非常災害等の支援
(能登半島地震による緊急支援)
(一社)四番隊 千葉県 3,000,000
(N)日本リザルツ 東京都 1,484,000
(N)防災コミュニティネットワーク 東京都 2,403,000
(N)キャンナス 神奈川県 3,000,000
(N)愛知ネット 愛知県 2,961,000
(N)スイミー輪の会 兵庫県 1,603,000

すでに決定されている能登半島地震による緊急支援交付は合計約1445万円。そのほか2023年6月に起こった台風被害に関する緊急支援も含め、2023年度は約2300万円を災害支援に交付している。

これからも、支援の手を

競輪・オートレースを含む公営競技は、本来「ギャンブル」であり、忌避される側面がある。しかしその収益の一部は「補助事業」として高齢者福祉施設、国際交流、研究への補助など、多種多様な社会貢献に使われ、健全な娯楽の範囲内で弊害をできるだけ除去することを前提に公認されている。

被災は一瞬ではなく、とても長い期間にわたるもの。そして地震大国の日本において避けられない事象であり、いつ我が身に降りかかるかもわからないものだ。被災地支援をし、支援の質を高めていくことは、いつか自分が被災した時の暮らしにもつながるだろう。

「今この時被災している人」そして「いつか被災するかもしれない人」のために、競輪のこういった側面にも目を向けていただけると幸いだ。

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