レースレポート

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佐藤水菜選手優勝インタビュー

Q:優勝おめでとうございます!

ありがとうございます。

Q:声援は聞こえましたか?

はい。たくさんの声援が聞こえました。すごかったです。

Q:レースへの準備において、雨の影響はありましたか?

新しいシューズを持ってきていたんですが、カバーが防水ではなく、濡らすのがイヤだったのでガールズケイリンでいつも使っているシューズを使用しました。

(トラック)競技の方で使用しているシューズではなかったので、少し不安でした。でも今までもそのシューズで戦ってきたので、自分を信じて気持ちを切り替えました。結果的にいつも通り走れたので良かったです。

Q:スタート時は、一度後方に下がり様子を窺っているように見えました。

トラック競技ではいつもジェイソン(・ニブレット)コーチに押してもらってスタートするので、自分でスタートするのは久しぶりでした。

雨も降っていて滑らないよう力を加減してしまい、少し出遅れてしまいました。結果的に、自分の好きなタイミングで仕掛けられる位置にいることができたので、今日は運が味方してくれたと思います。

Q:残り2周に入るタイミングで、比較的コンパクトな並びとなりました。

「どのタイミングでどちらの選手が押さえてくるのか」という不安・緊張感はありましたが、打鐘まで焦ることなく自分のペースで走ることができました。全体的な隊列も短かったので、脚を使わずに前へ出ることができました。

Q:鐘が鳴った残り1周半ほどから加速し始めました。

誘導員が退避して、前の鈴木選手が少し加速したあたりで前に出ようとしました。鈴木選手や尾方選手が内側にいたので、もがいてもがいて先頭に出ました。

先頭に出たあとに振り返ると児玉選手がいらしたので、そこからは児玉選手ともがき合いをしました。

Q:児玉選手は鐘がなる前から警戒していましたか?

雨のレースが久々だったこともあり、児玉選手の後輪から飛んでくる水が激しく感じました。そこで自分の脚を削らないように、児玉選手より、外にいた鈴木選手、太田選手の動きを警戒していました。自分から仕掛けることを考えていたので、外の選手をずっと警戒していました。

Q:最終周に入ったあと、後ろから児玉選手が踏み始めたと思いますが、そこでの心境はいかがでしたか?

最終周の最初のコーナーで、後方の児玉選手が踏み始めているのが見えました。その後は残り半周だったので、とにかく全開で後続の攻撃から逃げました。

Q:久しぶりのガールズケイリンでしたが、踏み出しの感触はいかがでしたか?

グランプリでの落車後、クランク以外の部品は全て変えていました。サドルも新しくなり、自転車が組み上がったのがエジプトに行く直前でした。なので新しい自転車に1回しか乗ることができず、今日もセッティングにとても悩みました。

ハンドル周りも全然違うので、踏み出しの感触も『スカッ』とするような、踏み足りない感覚がありました。でも『そんなことは言い訳にしていられない』と思いながら走っていました。

Q:児玉選手の追走もありましたが、最後のストレートにも先頭で入ってこられました。その後は余裕がある展開でしたか?

ローラーでもがく練習をしていても、とにかくギアが軽く感じ、『もっと回したいな』と思いながらもフィニッシュしました。

Q:最後まで踏み応えのないなかでも回し続けた、というイメージでしょうか?

ギアがいつもと違ったので「回し切りたいのに、回し切れない」みたいな……

ゴール地点でトップスピードに達する感覚でした。

Q:フィニッシュ手前で1着獲得は見えていましたか?

フィニッシュラインまで分からなかったです。ギアの踏み心地がいつもと違ったので、全力で漕ぎすぎてフィニッシュの瞬間に自分の頭をハンドルにぶつけてしまいました。それくらい一生懸命でした。

Q:痛かったですか?

衝撃がすごかったです。ヘルメットって頑丈なんだな、と実感しました。

Q:直近では出走があまりなく、1着も久しぶりでした。フィニッシュした時はどのような気持ちでしたか?

「やったー」と思いました。素直に嬉しかったです。

Q:ガールズコレクションでの優勝は2回目となります。2021年5月に獲った1回目(京王閣)とは違った喜びがありましたか?

1回目の時は、香港でのネーションズカップを控えていた中での出走でした。優勝できて、香港に向けて状態が仕上がった感覚がありました。

今回はネーションズカップの2連戦を終えて、疲れを抱えているハンデを持ちながらも優勝できたので、すごくプラスになりました。

Q:今後の予定を教えてください。

4月からトラック競技での全体練習が始まります。(3月28からの)四日市(F2)までしっかり体を休め、その後6月の『2023アジア選手権トラック』に向けて再スタートする予定です。

Q:今回大きいレースでの勝利となり、賞金も獲得しました。

そうですね。とりあえず(今開催まで)3ヶ月も”無職”で、2023年初の競輪の賞金なので、自分へのご褒美を買いたいと思います。

Q:今年の抱負を教えてください。

今年はパリオリンピックの出場権争いがある重要な期間なので、どうしてもガールズケイリンへの出走回数は少なくなってしまう予定です。日本の競輪に出走できるレース1戦1戦を大切にし、自分の力をしっかり発揮していきたいです。今年こそ勝率100%を目指して頑張ります。

トラック競技では、既に2戦を終えていますが、自分が倒したい相手は不在での大会でした。本命は不在でしたが、その他の選手も力を付けています。その中でケイリンでは2連続優勝することができましたが、スプリントやチームスプリントでは周りの選手に付いていけていない状態です。

次のアジア選手権に向けて自分の脚力を底上げし、ディフェンディングチャンピオンとして挑むケイリンだけでなく、スプリントやチームスプリントでも優勝を目指したいです。

そしてもちろんその先の世界選手権でも、しっかり優勝できるように頑張りたいです。

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