ガールズケイリンの歴史
競輪は戦後すぐの1948年にスタート。翌1949年から「女子競輪」が開催されたが、15年で廃止。それが「ガールズケイリン」として新たに生まれ変わったのが2012年7月。
そして2022年、ガールズケイリン10周年を機にリブランディングプロジェクトが始動。ロゴやユニフォームの刷新のほか、使用車輪の変更やレースの新設などが発表された(詳しくは後述)。
ガールズケイリンの選手たちは、2023年現在約170人。例年新たな選手が20人程度生まれているが、男子の競輪選手が約2200人いるのに対して、まだまだ若いスポーツだと言えるだろう。
男子の競輪と何が違うの?【ルール】
ガールズケイリンのルールの特徴は「ラインがないこと」。
男子の競輪では同じ地方や同郷の選手と”ライン”と呼ばれる隊列を組み、選手同士で助け合いながらレースを展開していく、いわばチーム戦が行われる(ラインを組まず単騎で戦う場合も)。もちろんフィニッシュラインに近づくと最終的には個人戦となるが、レース終盤まで有利にレース展開できるようラインを組む。
このラインがレースを面白く、奥深く、そして言い方を変えればとっつきにくくにさせる。
一方でガールズケイリンにはラインがない。これは国際競技の「ケイリン」に倣ったルールであるためで、他にも男子なら失格にならない行動が失格となりうるなど、よりスポーツ性が高いルールとなっている。
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その他、1回に出走する人数は7人(男子は通常9人)、枠での賭け方がないというのもガールズの特徴。
男子の競輪は実力や調子以外にも、選手同士の人間関係なども踏まえて予想する必要があるため、競輪初心者にはとっつきにくい部分があるかもしれない。まずガールズのシンプルなルールで競輪に慣れていくのも良いのではないだろうか。
男子の競輪と何が違うの?【自転車】
使用する自転車も、男子とは異なる。ブレーキのつかない専用の自転車であることは共通だが、男子はクロモリなどの車体(フレーム)を使う一方、ガールズではカーボンが使用されている。
男子の自転車の例
女子の自転車の例
カーボンは軽く、剛性が高いことが特徴で、クロモリなどでは難しい平べったい形のフレームを作成することができる。空気抵抗を少なくする効果があり、自転車トラック競技でもよく使われる素材だ。
なお以前のガールズケイリンでは後輪が車番カラーのディスクホイールだったが、10周年リブランディングを機に前後輪スポーク車輪へ変更されている。
ディスクホイールは車輪を覆うことで走行時の空気抵抗を少なくする効果があるが、横風に弱い特徴がある。そのためリブランディング以前も天候(風が強く、ふらつきの原因になりうる時など)によっては前後輪スポーク車輪で行われていた。
常に前後輪スポーク車輪になったことで、天候とホイール事情に左右されない走りができるようになった。