先頭をとった北日本、しかし松浦がラインを分断

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新チャンピオン 脇本雄太選手 優勝インタビュー

Q:優勝おめでとうございます。今の率直なお気持ちを聞かせてください。

北日本4人の結束、実質上2分戦ということで、易しい戦いではありませんでした。それを制することができて本当に良かったと思います。

Q:過去2回準優勝を経験しています。

東京2020オリンピックが終わって、目標を日本の競輪に定めたところがありました。「KEIRINグランプリを獲る」という目標を1年越しではありますが達成することができ、嬉しいです。

Q:東京2020オリンピックから1年半が経ちました。以前と比べて一番大きな変化は何だったのでしょう?

一番はメンタルだと思います。競技と違って、競輪はオフシーズンがない中での戦いになるので、いかにパフォーマンスを常に高く保つのかが大切です。そこにオリンピックまでの競技経験が活きているのかなと感じました。

Q:4回目の挑戦で獲得となったタイトルです。優勝のポイントは何だったのでしょうか?

松浦選手の動きを冷静に見ることが出来たこと、そして自分がいきたいところでしっかり動くことが出来たことが勝利に近づいたポイントだと思います。

Q:北日本の前受けを松浦選手が分断する形でした。レースを振り返っていかがでしたか?

古性くんが1番車ということもあって、北日本のすぐ後ろを取りたいと思っていました。しかし単騎勢もそこは譲ってくれないところでしたので、切り替えて後ろの8番手から攻めて行きました。

Q:松浦選手の動きは想定通りでしたか?

全く想定していなくて、一番始めの周回から追い上げているのを見て、僕にもチャンスがあるなと思っていました。

Q:1列棒状になってからは後方で構える形でしたが、仕掛けるタイミングはどのように考えていましたか?

一番は新田さんがどこから仕掛けるかでした。どこで松浦くんを追い上げるか気にしていましたが、隊列が伸びてしまったところで自分が見失ってしまったというか、新田さんの動くタイミングを見逃してしまって。それでいつも通りのジャンから仕掛けようと思っていました。

Q:残り1周半の時の心境はどうでしたか?

緊張して手が震えていましたが、しっかり古性選手を信じて仕掛けることが出来ればワンツーを決められると思っていました。

Q:残り1周で仕掛けていった時、会場がどよめきました。聞こえていましたか?

それどころではなかったです。最初のコーナー入り口ではしっかりスピードに乗られると思ったんですが、直線のタイミングで郡司くんと被りそうになるところがありました。そのあとは新田さんの番手捲りもあって、そこをしっかり乗り切れるかがポイントだったと思います。うまくやれて良かったです。

Q:フィニッシュした時、優勝したと思いましたか?

ハンドルを投げるまでは分かりませんでした。ただ走っている感じが日本選手権(ダービー)と近いものがあって、そういう走りができたのかなと思います。レース後に古性選手の横に並んでと肩を組んだ時に、優勝したと思えました。

Q:G1を2つ獲得した上でのグランプリ獲得です。勝負強さに関して、ご自身の意識はどうでしょう?

そこまで意識してはいません。古性くんを信じてましたし、「仮に僕がダメな展開になったとしても古性くんがしっかりやってくれるだろう」というお互いの信頼がありました。これからもそれを活かし続けたいと思います。

Q:敢闘門をくぐられる時に古性さんとやり取りするシーンもカメラに映されていましたが、何かお祝いの言葉をもらいましたか?

特段声をかけるというよりは、お互い感動して言葉もでない、という感じでした。お互いに最高のレース結果が獲れたと思います。

脇本雄太, 特別選手紹介, KEIRINグランプリ2022, 平塚競輪場

Q:前検コメントなどで怪我の影響もあって年の後半戦が失速していた感がある、とお話しされていました。会場入りしてから本番までの間で、戦える状態へと変化できたのでしょうか?

体の感触自体はそこまでだったんですが、グランプリに向けて徐々に気持ちが引き締まっていく感じがありました。それがしっかり体にも反応していたと思います。

Q:グランプリ期間中、垣間見る様子では穏やかな表情をしていると感じました。

リラックスした状態で会場に入って、当日にしっかり切り替えることがポイントだと思っています。今日の朝起きた瞬間には、きちんと緊張感のある状態でした。準備ができてるのかなと感じました。これは一番にはオリンピックの影響が大きいかなと思います。

Q:年明けは和歌山記念が控えています。

しばらくは古性くんと一緒に走る機会が増えると思います。お互いに近畿の責任ある立場として、それをしっかり果たしていく1年にしたいです。

Q:前日に実施されたガールズグランプリでは同県の柳原真緒選手が優勝しましたが、刺激になりましたか?

刺激になったというよりは「しっかりこの流れに乗らなくては」というプレッシャーがありました(笑)

Q:とうとうグランプリ、頂点を獲りました。今一番思うことは何でしょう?

東京2020オリンピックが終わり、自分が満足できる結果ではありませんでした。その悔しさを日本の競輪でリベンジしたいと思っていました。ようやく今日ここで、グランプリで優勝することで、悔しさを果たすことができたので、本当に喜びと感謝の気持ちがいっぱいで、本当に嬉しいです。

Q:これで年間獲得賞金が前人未到の3億円となりました。

正直まだ実感はありません。記録を作れたということは、誇りに思っていこうと思います。来年1年間責任のあるユニフォーム(1番車の白ユニフォーム)を着なければいけないので、しっかり引き締めていきたいです。

Q:来年の抱負と、ファンの皆様へ一言お願いします。

今年グランプリに出て優勝することが目標でした。それを今日達成できたことが、本当に嬉しいですし、ファンの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。来年1年間はチャンピオンジャージを着て、責任を求められますが、しっかり責任を果たせるように一生懸命1年間頑張りますので、また一年よろしくお願いします!ありがとうございました!

東京オリンピック後には大きな怪我で競輪から離脱する期間が長かった脇本。”競輪界最強”や”異次元”とも称されるスピードと持久力が持ち味だったが、遠かった『KEIRINグランプリ』のタイトルを遂に奪取した。

2023年も再び”脇本の1年”となるのだろうか。

期待せずにはいられない。

前人未到の3億円超え 脇本雄太が年間獲得賞金3億584万2300円を達成/KEIRINグランプリ2022(平塚競輪場)

これ以上は無い 限界に達することが出来た/脇本雄太の東京オリンピック