「自転車競技の楽しさ」をテーマに、「競技用自転車でトラック走路」を体験できるイベント「トラックサイクリングキャンプ」が、2022年8月22日に宇都宮競輪場にて行われた。
以前は「ガールズサテライトキャンプ」という名前で女子限定で行われていたこのイベントだが、今回は応募範囲を男子・女子に拡大。より多くの子どもたちに自転車競技を楽しんでもらえるようになった。
今回講師を務めたのは、那須ブラーゼンの鈴木真理氏。
過去にはアテネオリンピックロードレース日本代表に選出される経験を持つなど、日本トップクラスのロードレーサーだ。
現在はコーチとしても活動しており、ブリッツェンステラでは競技を始めたばかりの小学生を対象に6年間の指導経験を持っている。
まずは自転車に乗るときの安全確保から!
今回集まったのは、小学4年生から中学3年生までの女子・男子合わせて14人。自転車競技未経験の子たちも数名参加していた。
開校式で講師の鈴木さんや那須ブラーゼンの方々に挨拶を終えた後、準備をして早速バンクへと向かう。
ちなみに、自転車やヘルメットを持っていない子には無料で貸出ししてくれる。
準備ができたら早速バンクへ!と思いきや、まずは自転車に乗るときの注意事項や操作説明から始まった。
タイヤに不備がないか、空気は抜けていないかなどを入念に確認する。
また、バンクに出るときは、走行してくる自転車があるかもしれないので、左右を確認してから出るということも説明。
安全への理解や自転車操作に慣れていない子どもたちのために、基礎的な安全管理からしっかりと教えていた。
みるみる上達していく子どもたちに講師も驚き
バンクに出て最初行ったのは、ブレーキの練習。
指定された位置で止まることができるよう、タイミングよくブレーキをかけていく。
これがなかなか難しいらしい。止まりたいところで止まることができず、足で自転車を止めてしまう子もちらほら……。
そんな時はブレーキの持ち方や体勢のコツを、お兄さんたちが優しく教えてくれていた。
最初は恐る恐る漕ぎ出していた子たちも、2、3周しているうちにみるみる上達。講師の鈴木さんも「みんな上手くなるのが早い!」と驚いていた。
自転車操作にも慣れてきたところで、作られたレーンに沿って真っ直ぐ走る練習も追加されていく。
他にも、2人で追いかけっこするように走る練習など、難易度は少しずつ上がっていくが、子どもたちは器用にこなしていた。
さすがに若いと吸収が早い。練習が始まって約2時間後には、全員でバンク周回まで行った。
レベルに合わせた練習
それぞれのレベルに合わせてコースを分け、最長500mあるバンクを走る。
中には経験者の子どももいたが、未経験の子たちが短時間でここまで走れるようになるとは驚きだった。
練習中は鈴木さんたちが子どもを積極的に褒めていた。「上手!」「できたね!」と言われると、子どもたちは自信を持って次のステップに進むようになり、成長速度が早いように思えた。
スピードを出していたわけではないが、ややきつめのカーブなども上手に回っていた。
午後はコース練習から
昼休憩を挟んでから、午後は単純なコース練習をした。コーンとバーで作られたコースをぶつからないように走っていく。
カーブが難しいのか、最初は子どもたちも苦戦していた。上手くいかずにマーカーを踏んでしまったり、よろめいてしまう子も……。
しかし、何度も挑戦していくうちに、徐々にバランスよく抜けられるようになっていく。
後半には、スタンディング(自転車を漕がずに、止まってキープする)練習をしたり、立っている人の横を走り抜けた後に、その人が出している手が何か(グーチョキパーなど)を言い当てる練習なども行われた。