名実ともに「弥彦の顔」、彌彦神社
分水堂菓子舗やおもてなし広場を抜けてしばらく歩くと、現れるのは彌彦神社。境内は樹木に覆われ、荘厳な雰囲気を醸し出している。
2400年以上の歴史を持ち、地域の人々だけでなく、朝廷や幕府・将軍からも崇敬を集めてきた神社だ。「万葉集」にも彌彦神社を詠んだ歌が2首収められている。なお彌彦神社は弥彦競輪場と隣接しており、非常に立ち寄りやすい場所でもある。
本殿・拝殿は火災を経て、大正5年に再建された比較的新しいもの。これは築地本願寺なども設計している伊藤忠太によって設計されており、建築好きにの方にぜひ注目していただきたいポイントだ。
参拝と境内の散策が済んだら、ぜひ立ち寄っていただきたいのが宝物殿。
ここには国内でも有数の長大さを誇る大太刀「志田大太刀」が所蔵・展示されている。
刃長は220.4cm、持ち手の部分と合わせたら3mを超える特大サイズ。室町時代に奉納用に作られた刀で、奉納用に作られたからこその「実用性度外視」のビジュアルだ。宝物殿内には「志田大太刀」以外にもさまざまな刀剣類や、歴史的な宝物や書状が保管されている。
彌彦神社の本殿が火災によって建て替えられたことは前述したが、それ以外にも、2400年の長い歴史の中でさまざまな天災・戦乱を経験してきた。過酷な歴史の中でこれらの品々が生き残ったのは偶然ではなく、守り伝えようとした人々がいたからだろう。
静かな宝物殿だが、そんな「歴史を伝える品々と、それを伝えた人々の存在」を想うと、その重さに圧倒されてしまうかもしれない。
ロープウェイで弥彦を一望
彌彦神社の境内から続く「万葉の道」を歩いて、あるいは神社から出ている無料シャトルバスに乗って「ロープウェイ山麓駅」へ。
そこから5分間の空中散歩を経て、弥彦山の山頂へ辿り着くことができる。
山頂には日本海を眺めながら食事がいただける食堂があるほか、クライミングカーを使って少し下った先では、昇降式展望台を備える「パノラマタワー」も楽しむことができる。
「パノラマタワー」とは360度くるくると回りながら、ゆっくりと昇って、そして降りていくという乗り物。ロープウェイや展望台は全国各地にあるが、こういったスタイルの展望台はなかなか珍しいのでは。
パノラマタワーから望めるのは日本海と佐渡島、
四季折々の色に染まる山々、
「米どころ新潟」を感じさせられる越後平野と……
そして、弥彦競輪場もちらっと見えます!
天気に恵まれれば、東は越後平野、西は佐渡まで見渡すことができ、加えて季節によっては紅葉なども楽しめる。弥彦競輪場から山頂駅まで、もちろん30分以内で行くことが可能だ。
唯一の村営競輪場 弥彦競輪場
全国唯一の村営競輪場である弥彦競輪場。この記事では弥彦競輪場から「30分」足を伸ばして、周辺施設を楽しむための情報をお届けしてきた。
競輪場の中に目を向けると、2020年7月に完成したばかりのロイヤルルームや、元選手の池端将巳氏が手がけるラーメン屋「ラーメン輪」、名物のイカメンチが楽しめる寶光院食堂などがあり、ここもまた魅力がたくさん。競輪場内外、それぞれの散策を楽しんでいただきたい。
弥彦競輪場でのG1レース『寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント』は、2023年10月19日〜22日に開催される。