5勝クラブへの挑戦

フルームは2018年のツール・ド・フランスで、競技生活の集大成となる5度目の個人総合優勝を狙う。ここ数年における心身の充実ぶり、チーム力を考えれば死角は少なそうだ。しかしライバルを一人挙げるなら、トム・ドゥムランであろう。

「パワーメーターが壊れてるかと思った」優勝のトム・ドゥムラン選手コメント/ロードレース世界選手権2017エリート男子タイムトライアル

TTスペシャリストだったドゥムランは、2017年のジロ・デ・イタリアの総合優勝により、総合系選手として打倒フルームの一番手に躍り出た。

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フルームの強みは登坂力とタイムトライアル能力だが、タイムトライアルではドゥムランの後塵を拝するであろう。現に、2017年のロード世界選手権タイムトライアルでの対決はドゥムランが圧勝した。

現時点で登坂力はフルームへ軍配が上がるものの、年々進化を続けるドゥムランを侮れない。両者の登坂スタイルは似ており、どちらも高ケイデンスで一定速度を保ち、ライバルを振り落しながら走るのだ。この二人が直接対決をすれば、どのような展開になるのか。

フルームが2017年の総合優勝を決めた時「こんな接戦は初めて」と語ったが、2018年はさらに熾烈な争いが期待される。果たして史上5人目の「5勝クラブ」の仲間入りなるか。コースマップが発表された今、7月に向けての戦いはすでに始まっている。

Text :D.Inoue