ユニークさ溢れるクリス・フルームのキャリア

現在のロードレース界、絶対王者のクリス・フルームは、常に穏やかな笑みを絶やさない。

ツール・ド・フランスで4度の個人総合優勝に輝き、2017年にはダブルツールの制覇という偉業を達成するも、振る舞いは常に紳士的で、コメントも謙虚だ。

その言動が面白みに欠けるとも言われるが、これまでの道のりは、他のロードレース選手とは異なるユニークさに溢れる彼の半生を振り返ろう。

クリス・フルームのプロフィール

名前:クリストファー・フルーム
生年月日:1985年5月20日
出身地:ケニア
身長:186cm
体重:67kg
愛称:フルーミー
ペット:猫(Coco)
好物:しゃぶしゃぶ
趣味:アウトドア

ケニアで生まれ育った少年時代

クリス・フルームは1985年にアフリカのケニアで生まれた。両親がケニアで事業を行っており、ケニアで生まれ育ったのだ。2008年にイギリス国籍を取得するまではケニア国籍だったのである。

自転車競技の魅力に取りつかれたフルームは、ケニアナンバー1のプロサイクリストからトレーニングを受ける機会を得るも、それは未舗装の丘を走るだけのものだった。通常、ロードレースの有望選手は、10代からプログラムに沿ったエリート教育を受ける選手が大半だ。フルームはそういった、エリート教育を受ける機会がなくとも、標高2000m近いケニアの環境が、空気が薄い場所での天然トレーニング環境となり、彼のスタミナを増大させたのだろう。

フルームが10代半ばの頃、父親の仕事の都合で南アフリカへ移住。その頃にテレビで初めてツール・ド・フランスを知るが、当時はまだ便利な移動手段として自転車に乗りながら、大学生活を楽しんでいた。彼はその時、自らがそのレースで頂点に立つと想像をしていたのだろうか。

遅咲きの花は、大輪を咲かす