クリス・ホイ

往年のトラック競技ファンの中で、彼の名を知らない者はおそらくいないだろう。

11回も世界王者へ輝き、イギリス人選手としてはオリンピック史上最多の通算6個の金メダルを獲得。日本の競輪も経験した、イギリスが誇るトラック界のレジェンドに迫る。

プロフィール

イギリスの英雄クリス・ホイ
名前 クリストファー・アンドリュー・ホイ Christopher Andrew Hoy
生年月日 1976年3月23日
身長 185cm
出身 イギリス・エディンバラ
専門 トラック短距離
愛称 サー・クリス・ホイ
趣味 モータースポーツ

生い立ち

クリス・ホイは1976年、イギリス・スコットランドの首都、エディンバラにて生まれる。

6歳の頃に観た映画「E.T.」に登場したBMXをきっかけに自転車に興味を持つ。ホイはすぐさま自転車の持つスピードに魅了され、7歳の頃からBMXレーシングを始める。16歳の頃にトラック競技に出会うまではマウンテンバイクやロードレース、ローイング競技で国内ジュニア準優勝など、様々な種目に挑戦していた。

オリンピックからの躍進

ATHENS - AUGUST 20: (L to R) Arnaud Tournant of France (silver), Chris Hoy of Great Britain (gold) and Stefan Nimke of Germany (bronze) hold up their medals after winning the men's track cycling 1 kilometre time trial final on August 20, 2004 during the Athens 2004 Summer Olympic Games at the Olympic Velodrome within the Olympic Sports Complex in Athens, Greece. (Photo by Donald Miralle/Getty Images)

Photo by Donald Miralle/Getty Images

2000年、24歳の頃にはシドニーオリンピックに出場し、チームスプリントにて銀メダルを獲得。2002年にはトラック世界選手権にて1kmタイムトライアル(以下1kmTT)・チームスプリントで二冠。

2004年アテネオリンピックでは1kmTTにてオリンピック記録更新と共に金メダルを獲得し、オリンピック初優勝を果たす。その翌年の2005年には国際競輪(現在の短期登録制度)で来日。世界トップの走りを披露し、日本の競輪でも活躍。

ケイリンの道へ

Chris Hoy (GBR) with the three gold medals he won in cycling at the games at the Summer Olympic Games in Beijing China 19th August 2008. (Photo by David Ashdown/Getty Images)

Photo by David Ashdown/Getty Images

国際競輪から帰国後、2008年の北京オリンピックから得意としていた1kmTTが除外となる。

オリンピック優勝や世界王者へと輝いた1kmTTが無くなったホイは、日本での”競輪”の経験を活かして”ケイリン”の道へ。そして2年後の2007年にケイリン世界王者へと輝く。

2008年には世界選手権スプリント・ケイリンにて金メダル、チームスプリントで銀メダルを獲得。続く北京オリンピックではスプリント・ケイリン・チームスプリントと、大舞台で三冠を達成。これにより”ナイト”の爵位を授与され、2009年6月には”サー・クリス・ホイ”の称号を得た。

有終の美

LONDON, ENGLAND - AUGUST 07: Sir Chris Hoy of Great Britain kisses the gold medal he won in final of the men's Keirin during Day 11 of the London 2012 London Olympics at the Veledrome on August 07, 2012 in London, England. (Photo by Ian MacNicol/Getty Images)

Photo by Ian MacNicol/Getty Images

2012年自国開催のロンドンオリンピックでは、再び現役世界王者として挑んだケイリンにて先頭を譲らない圧倒的な走りを披露し、大会連覇を達成。

チームスプリントでも優勝し、イギリス人史上最多となる通算6個の金メダルを獲得。キャリア最後のオリンピックを最高の形で締めくくり、翌2013年、37歳で選手を引退した。

トラック世界選手権で計21個のメダル(内11個は金メダル)、オリンピックでは計7個のメダル(内6個は金メダル)を獲得し「イギリスのスポーツ界で最も成功したアスリート」と称された。

引退後も自転車愛は変わらず