4.エアロヘルメット
エアロヘルメットは既に何十年も使用されており、ベンチレーション(通気口)付きのヘルメットよりも空気の流れに優れている。
現代で主流なのは形は丸みを帯びており、上から見ると涙の雫のような形のヘルメット。ヘルメットバイザーを使用する事で25ワットのパワーを節約する事が出来る。
5.シューズとソックス
今やソックスまでエアロ化が進んでおり、ソックスを選ぶことで数ワットのパワーを節約出来るとされる。また2019年3月のUCIルール改正で、トラック競技でもシューズカバーの使用が可能となった。シューズカバーを使用することはエリートカテゴリー選手の間ではほぼ主流となっている。
また、ソックスの長さは「腓骨(脹脛周辺の骨)の半分までの長さ」と規定されている。
6.チェーン
ワールドカップクラスの大会となると、特殊なオイルやワックスを塗布した物が使用されている。このような加工チェーンは約5ワットのパワーが節約出来るという。
特殊なチェーンが注目を浴びたのは2015年。イギリス自転車界のレジェンドであるブラッドリー・ウィギンスが当時のアワーレコードの世界記録を更新した際に使用されたことをきっかけに広まった。
また、汚れの無い綺麗なチェーンを使うことで摩擦と抵抗が減り、より効率的に力を伝えられる事から高速巡航にも繋がる。綺麗なバイクは速いバイクの証拠だ。
7.フィードバック
HUUB Wattbike Test Teamにも所属するダン・ビッガム(イギリス)は空気抵抗マニアとしても知られる。NOTIO社の「NOTIO Konect」と呼ばれる空気抵抗を測定出来るデバイスを元に、日々エアロフォームの改善に務めているという。
もちろん、冒頭でも述べた通り日々のトレーニングや機材の選択も重要だ。しかし、科学的な理論が競技にも取り入れられていく時代の中で、こうしたフォームと空力の分析から行うトライ&エラー、コーチや有識者によるフィードバックを受ける事も重要である。
日々進化する速さへの追求
これらの他にも、エアログローブやより大きなチェーンリングの選択、エアロスキュワー(自転車本体とホイールを固定するパーツ)など、速く走る為の要素はまだまだ存在する。常に最新のトレーニング論や機材を取り入れ、徹底的に空気抵抗が少ないポジションを追求する事がより速く走る結果へと繋がる。