特に多くの廃棄物が運ばれる年度変わり
今回京浜島工場を見学させてもらったのは3月中旬。宮越さんによると、年末と、年度変わりの時期は特に受入量が増えるそうだ。
大量に運ばれてくる中には、学校の机・椅子も。
「もうすぐ春休みなので学校の机や椅子も、新しいものへ入れ替えられたり、学校同士の合併に伴って処分されます」
大量のベットのマットレスについては、
「3月は病院でのベットの入れ替えや、ホテルの解体が多い時期でもあります。もちろん引越の多い時期でもあるので、ホームセンターや大手家具屋さんがお客様から引き取ったマットレスなども回収しています。
マットレスは両脇に切り込みを入れ、穴を開け、専用機械で中のスプリングを取り出します。スプリングの金属部分はリサイクルが可能なんです」とのこと。
「こちらはフロンガスを抜く作業が未完了のまま現場から運ばれて来た、エアコンや冷蔵庫です。フロンガスを抜いてからスクラップのヤードに持っていきます。
フロンガスが漏れるとオゾン層の破壊などに繋がりますので、抜いたガスの量も正確に計測し、申告する必要があります」
「まだ製品として使用できそうなものであれば、グループ会社のトライシクルが行っている中古品リユースサービス『ReSACO(リサコ)』のリサイクルセンターに出荷したり、コピー機などのリースアップ品を回収して、『ReSAISON(リ・セゾン)』というクレディセゾン様との合弁企業でのビジネスにて販売しています」
金の仏様も…
その他、案内のもと工場内を散策していた取材班は思わぬものも発見。
大きなボルトやナットが詰め込まれていたドラム缶に、金色の仏様を発見。どうしてこんな所に……。
仏様 = 仏教、仏教 = 輪廻・カルマ、輪廻・カルマ = 循環……。そういうことなのだろうか。思わず宮越さんに聞いてみた。
「おそらく真鍮でできているのだと思います。その他にもシンバルなどの管楽器や水道の蛇口、たまに船のスクリューなども運ばれて来ます」
取材班の勝手な想像はさておき、資源として新たに再利用されていくことを宮越さんは冷静に説明してくれた。
JCFのスポンサーが支える日々の暮らし
1時間ほどの工場見学を終え、日々どれだけのものが捨てられているのかを痛感した取材班。しかしそれと同時に、どれだけの物が東港金属によって再利用されているのかを間近に見ることができた。
しばしば環境に良い乗り物として謳われる自転車。自転車競技を応援する立場として、JCFのスポンサーが地球環境や暮らしを支えていることを知ることができ、非常に有意義な経験となった。
工場見学を終えた取材班は、最後に宮越さんに再びお話を伺った。
Q:ここまで手間が掛かっているとは思いもしませんでした。
宮越さん「そうですね。私もこちらで勤務し始める前は、何でもかんでもポイポイ捨ててしまっていました。ここには1日平均300〜400トンの処分物が運ばれて来ます。どれだけのものを消費しているのかが実感できます」
「ですがこの工場に運ばれてくることで、また新たな物を作ることも可能になります。これからも様々なものを上手く循環させていければと思います」
Q:我々大人でもとても勉強になりました。子どもたちにも見てもらいたいですね。
宮越さん「そうですね。早い内から、こうした実情を知ってもらえると、リサイクルなどへの関心も高まっていくと思います」
東港金属では工場見学に関する相談も随時受け付けている。気になる方はぜひチェックしていただきたい。
東港金属「Keihinjima Factory 京浜島工場」
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