2025年1月31日〜2月2日の3日間、フランス・リエヴァンにて『2025世界選手権シクロクロス』が開催された。
シクロクロスは、1周2.5〜3.5kmほどの舗装・未舗装が入り混じるコースで実施される周回レース。
時には自転車を担いで走ったり、自転車に乗りながら障害物をジャンプして飛び越えるなど、他競技ではあまりない“珍場面”も見どころの1つだ。
本記事では各カテゴリーのメダリスト、日本選手たちのリザルトをお届けしていく。
日本 派遣選手団
ジュニア：17〜18歳、U23：19〜22歳、エリート23歳以上
（UCI規則 UCI Regulations Part 9 – World Championships 9.2.042）
| 選手名 | カテゴリー | 所属 |
| 織田聖 | 男子エリート（ME） | 弱虫ペダルサイクリングチーム |
| 副島達海 | 男子U23（MU） | 大阪産業大学 |
| 柚木伸元 | 男子U23（MU） | 日本大学 |
| 山田駿太郎 | 男子ジュニア（MJ） | 弱虫ペダルサイクリングチーム |
| 日吉愛華 | 女子U23（WU） | 中京大学/Teamまるいち |
| 渡部春雅 | 女子U23（WU） | 明治大学 |
| 石川七海 | 女子ジュニア（WJ） | MOPS |
男子エリート
周回数：8周回
総走行距離：22.55km（2.8km×8周回+スタート150m）
出場選手数：45選手
最終日に開催された男子エリート。 ロードレースのスター選手でもあるマチュー・ファンデルプールがワウト・ファンアールトらを相手に圧倒的な走りを見せ3連覇を達成。
自身7度目のシクロクロス世界チャンピオンに輝いた。
なお、本大会での勝利によって1973年にエリック・デ・フラーミンク（ベルギー）が成し遂げた「史上優勝最多記録」に並んだマチュー。2026年の活躍にも期待がかかる。
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全日本チャンピオンとして出場した織田聖は、自身4周目を走行時に周回遅れとなり除外へ。40位でフィニッシュした。
| 選手名 | 国 | タイム | ||
| 1位 | マチュー・ファンデルプール | VAN DER POEL Mathieu | オランダ | 1:02:44 |
| 2位 | ワウト・ファンアールト | VAN AERT Wout | ベルギー | 1:03:29 |
| 3位 | ティバウ・ニス | NYS Thibau | ベルギー | 1:03:50 |
| 40位 | 織田聖 | ODA Hijiri | 日本 | -4周 |
リザルト（PDF）
日本選手のレースレポートは、JCF（日本自転車競技連盟）のレポートをチェック
女子エリート
周回数：6周回
総走行距離：16.95km（2.8km×6周回+スタート150m）
出場選手数：35選手
オランダ勢が表彰台を席巻した女子エリート。
第5周回まで接戦を繰り広げていたフェム・ファンエンペルとルシンダ・ブランドだったが、最終周でルシンダ・ブランドに18秒差を付け圧倒したフェム・ファンエンペルが優勝。
世界選手権2021年大会のU23カテゴリー優勝後、自身初となるエリート世界チャンピオンに輝いた。
なおファンエンペルは、2023年よりUCIウィメンズワールドチーム「Team Visma | Lease a Bike」に所属しロードでも活躍する選手だ。
| 選手名 | 国 | タイム | ||
| 1位 | フェム・ファンエンペル | VAN EMPEL Fem | オランダ | 54:29 |
| 2位 | ルシンダ・ブランド | BRAND Lucinda | オランダ | 54:47 |
| 3位 | パック・ピーテルス | PIETERSE Puck | オランダ | 55:38 |
男子U23
周回数：7周回
総走行距離：19.75km（2.8km×7周回+スタート150m）
出場選手数：49選手
男子U23の優勝は前大会覇者のティボル・デル グロッソ（オランダ）。
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2位のケイ・デ ブリュイケレに約1分差を付ける走りで2連覇を飾ったティボル・デル グロッソは、「Alpecin-Deceuninck」の育成チームに所属し、シクロとロードの二足の草鞋を履く選手。
2024年のロード世界選手権ではロードレース（U23）にて8位でフィニッシュ。ロードでの活躍にも要注目だ。
副島達海
副島達海と全日本チャンピオンの柚木伸元が出場した日本チーム。
柚木伸元
副島は自身5周目、柚木は6周目の走行時に悔しくも周回遅れとなり除外へ。それぞれ40位、33位でフィニッシュした。
| 選手名 | 国 | タイム | ||
| 1位 | ティボル・デル グロッソ | DEL GROSSO Tibor | オランダ | 56:26 |
| 2位 | ケイ・デ ブリュイケレ | DE BRUYCKERE Kay | ベルギー | 57:22 |
| 3位 | イェンテ・ミヘルス | MICHELS Jente | ベルギー | 57:31 |
| 33位 | 柚木伸元 | YUNOKI Shingen | 日本 | -1周 |
| 40位 | 副島達海 | SOEJIMA Tatsuumi | 日本 | -2周 |
リザルト（PDF）
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女子U23
周回数：5周回
総走行距離：14.15km（2.8km×5周回+スタート150m）
出場選手数：45選手
女子U23でも、2024年大会覇者が連覇。ゾーイ・バックステッドが独走でイギリスにアルカンシェルをもたらした。
ゾーイ・バックステッドは、2022年のロード世界選手権（ジュニア）でも優勝している選手。当時同大会へ日本から出場した垣田真穂も「強すぎてレベルが違う」と語った選手だ。
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全日本選手権女子エリート（2024）2位の渡部と春雅と日吉愛華が出場した日本チーム。
日吉は自身2周目、渡部は4周目走行時に除外となり、それぞれ44位、33位でフィニッシュした。
| 選手名 | 国 | タイム | ||
| 1位 | ゾーイ・バックステッド | BACKSTEDT Zoe | イギリス | 45:42 |
| 2位 | マリー・シュライバー | SCHREIBER Marie | ルクセンブルク | 46:21 |
| 3位 | レオニー・ベントフェルト | BENTVELD Leonie | オランダ | 47:02 |
| 33位 | 渡部春雅 | WATABE Kasuga | 日本 | -1周 |
| 44位 | 日吉愛華 | HIYOSHI Aika | 日本 | -3周 |
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男子ジュニア
周回数：6周回
総走行距離：16.95km（2.8km×6周回+スタート150m）
出場選手数：68選手
男子ジュニアの優勝はイタリアのマッティア・アゴスティナッキオ。
3位にもソレン・ブリュイエール ジュマールが入り、メダル2枚を獲得したイタリア。ロードやトラック競技に加え、シクロクロスでも若手の台頭をアピールする結果となった。
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日本からは山田駿太郎が出場。
自身4周目走行時に周回遅れとなり除外へ。68選手中、上位半数に入る33位でフィニッシュした。
| 選手名 | 国 | タイム | ||
| 1位 | マッティア・アゴスティナッキオ | AGOSTINACCHIO Mattia | イタリア | 45:47 |
| 2位 | ソレン・ブリュイエール ジュマール | BRUYERE JOUMARD Soren | フランス | 45:59 |
| 3位 | フィリポ・グリゴリーニ | GRIGOLINI Filippo | イタリア | 46:17 |
| 33位 | 山田駿太郎 | YAMADA Shuntaro | 日本 | -2周 |
リザルト（PDF）
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女子ジュニア
周回数：5周回
総走行距離：14.15km（2.8km×5周回+スタート150m）
出場選手数：42選手
女子ジュニアのアルカンシェルを獲得したのは、フランスのリーズ・ルヴォル。開催国にアルカンシェルをもたらした。
石川七海
日本からは全日本チャンピオンの石川七海が出場。
本大会、日本選手唯一となる完走を果たし、32位でフィニッシュした。
| 選手名 | 国 | タイム | ||
| 1位 | リーズ・ルヴォル | REVOL Lise | フランス | 45:25 |
| 2位 | バルボラ・ブコフスカー | BUKOVSKÁ Barbora | チェコ | 45:36 |
| 3位 | ラファエル・カリエール | CARRIER Rafaelle | カナダ | 47:08 |
| 32位 | 石川七海 | ISHIKAWA Nanami | 日本 | 53:25 |
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チームリレー
周回数：6周回（1選手につき1周）
総走行距離：16.95km（2.8km×6周回+スタート150m）
出場国数：10カ国
大会初日に実施されたチームリレー。各国6人編成のチームにて出場するのだが、各カテゴリーから下記のような条件で選抜しなけらばならない。
・男子エリート1人または男子U23から1人
・男子U23 1人または男子ジュニアから1人
・男子ジュニアから1人
・女子エリート1人または女子U23 から1人
・女子U23 1人または女子ジュニアから1人
・女子ジュニアから1人
（UCI規則 UCI Regulations Part 9 – World Championships 9.2.045 bis）
日本にとってチームリレーへの出場は本大会が初。競技が国内で発展・成長していることが窺える大会となった。
柚木伸元
途中、ペダルトラブルで落車のアクシデントに遭うも、周回遅れになることなく無事9位でフィニッシュした。
優勝は2位のイタリアに2秒差で勝利したイギリス。
上位3カ国のうち、唯一ジュニア選手3人を含むチーム編成。層の厚さを印象付ける走りを見せた。
| 国 | 選手名 | カテゴリー | チーム総合タイム （個人タイム） |
||
| 1位 | イギリス | 50.03 | |||
| ゾーイ・バックステッド マイロ・ウィルズ ダーリソン ゾーイ・ロッシュ マイア オスカー・アメイ キャット・ファーガソン トーマス・マイン |
BACKSTEDT Zoe WILLS Darlison Milo ROCHE Maia Zoe AMEY Oscar FERGUSON Cat MEIN Thomas |
WU MJ WJ MJ WU ME |
08:29 07:57 09:47 07:28 08:55 07:20 |
||
| 2位 | イタリア | 50:05 | |||
| マッティア・アゴスティナッキオ ジョエーレ・ベルトリーニ ジョルジャ・ペリゾッティ ルチア・ブラマーティ サーラ・カサソーラ ステファノ・ヴィエッツィ |
AGOSTINACCHIO Mattia BERTOLINI Gioele PELLIZOTTI Giorgia BRAMATI Lucia CASASOLA Sara VIEZZI Stefano |
MJ ME WJ WU WE MU |
07:37 07:34 09:10 09:28 08:45 07:24 |
||
| 3位 | フランス | 50:08 | |||
| ジュール・シモン フロリアン・フェリー セリア・ジェリー ゼリー・ランベール エレーヌ・クローゼル ジョシュア・デュボー |
SIMON Jules FERY Florian GERY Célia LAMBERT Zélie CLAUZEL Hélène DUBAU Joshua |
MU MJ WU WJ WE ME |
07:41 07:33 08:58 09:45 08:48 07:17 |
||
| 9位 | 日本 | 58:11 | |||
| 柚木伸元 渡部春雅 日吉愛華 山田駿太郎 石川七海 織田聖 |
YUNOKI Shingen WATABE Kasuga HIYOSHI Aika YAMADA Shuntaro ISHIKAWA Nanami ODA Hijiri |
MU WU WU MJ WJ ME |
08:15 10:08 11:03 09:09 11:16 08:13 |
リザルト（PDF）
日本選手のレースレポートは、JCF（日本自転車競技連盟）のレポートをチェック
Photos：UCI Cyclo-cross Official FaceBook
次の世界選手権は2月8日「スノーバイク」
マチュー・ファンデルプールの3連覇・7度目のタイトル獲得で幕を閉じた『2025シクロクロス世界選手権』。2025年初となる自転車競技世界チャンピオンが誕生した。
次なる世界選手権が開催される自転車競技は「スノーバイク」。2月8日、フランス・シャテルが舞台だ。
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初開催の2024年から2度目の開催となり、まだ誕生したばかりの競技。スキー場のようなコースをマウンテンバイクで急降下するハイスピードレースだ。
UCIの公式YouTubeでもライブ配信があるかもしれない。新たな世界チャンピオンの誕生に要注目だ。
種目説明など詳しくはコチラの記事をチェック▼
2月〜8月の世界選手権
| 開催月 | 日程 | 自転車競技 | 開催地 |
| 2月 | 2月8日 | スノーバイク | フランス・シャテル |
| 6月 | 6月22日 | マウンテンバイク（XCE） | トルコ・サカリヤ |
| 8月 | 8月2日〜8月3日 | BMXレーシング | デンマーク・コペンハーゲン |
| 8月28日〜8月31日 | パラサイクリング・ロード | ベルギー・ロンセ |
2025年 年間の世界選手権日程はコチラ▼
