とても厳しい香港の隔離
Q:「香港の隔離は信じられないほど厳しかった」と風の噂で聞きましたが、どうでしたか?
それはとても・・・・。お弁当が運ばれてくるので、自分の部屋のドアを「ご飯来てるかなー」と思って開けてみるわけです。そのタイミングがたまたま別の選手と被って、一瞬でも会話をしようものなら、ホテルの廊下に立っている監視の人が怒って飛んできます。
エレベーターは自分たちで動かすことが出来ず、指定された時間に指定された人たちが集まってから、監視の人にエレベーターを動かすようお願いします。しかしそこから、エレベーターが来るのに20~30分待ちます。
また、2日に1回PCR検査を受けましたが、ブノワ(・ベトゥ)コーチ、ジェイソン(・ニブレット)コーチたちは、鼻で採取する検査をとても痛がっていました。幸いにも私は全然問題無かったですが(笑)
後は、ホテルと会場間はバスでの移動だったのですが、戻ってくる際、ホテルに着いて私たちが通る導線を徹底的に除菌している方が居ました。その除菌が終わってからしかバスを降りられないので、また待たされるといった形です。
Q:除菌してから?
はい。モップで行っていましたね。おそらく歩き終わってからも同じことをやっていたのだと思います。だから会場に行く時も、帰ってくる時も、とにかく時間が掛かりましたし、そもそも部屋から出られないということは苦痛なのだと感じました。
Q:会場内はどうでしたか?
選手同士のコミュニケーションは不可で、完全にパーテーションでピットが区切られていました。
Q:香港のご飯はどうでしたか?
毎食お弁当がドアの前に置かれていました。そうなることは事前に分かっていたので、みんな日本からお味噌汁とか、米だとか、様々な物を持ち込んでいたと思います。
私はこれまでも様々なところに行かせてもらって、(食事が)危険なところを見てきたが故に、ありがたいと思えるような食事内容でした。でも遠征の終盤の方、レースが終わった後などは流石に、匂いなども嫌だし、味もちょっとやっぱり・・・といった感じにはなってしまいましたね。
大会ご飯、ヤバイぞランキング
Q:大会時の、ご飯のヤバイ国ランキング、いただけますか?
ベラルーシが第1位です。ワールドカップの時でしたが、夕ご飯が何もなかったことがあります(笑)。別の日にはマッシュポテトに、焼いただけの生姜焼きのような肉が一枚置かれた・・・それだけだったこともあります。その時は「なんか悪いことした、私?」みたいになりました(笑)そばの実もちょっと無理でした。
そういうわけで、ベラルーシが1位です。本当にヤバイと思ったので、その時が初めてのワールドカップだった松井(宏佑)選手と小原(佑太)選手は本当にかわいそうだと思いました。
Q:では、第2位は?
インドネシアですね。「水が危ないかもしれないので、生野菜と果物は避ける」という話になりました。
では他に・・・・・となると、とてつもない香辛料が入ったスープ、「から揚げ」と書いてある謎の鶏肉料理。「どうしよう」と思ったのがインドネシアでした。私は大丈夫だったのですが、周りのみんなは調子が悪くなっていましたね。
少し話は逸れますが、食べ物で私の調子が悪くなったのは、マレーシアのアジア選手権(2018年)でした。 あまりに体調が悪く、ケイリンを欠場してしまったこともあります。
Q:3位をお願いします!
それは難しいですね。でも、バイキング形式のホテルでしょうか。いつも同じ物しか出てこないです。マッシュポテト、茹でた人参、味のないパスタ、よくわからない豆料理、フライドポテトとかです。
何日も居ると、やはり飽きもありますし、贅沢なことを言ってはいけないとは思いますが、厳しく感じます。 ですから、海外に行った時は「レースを行う自分」という機械の、エネルギー補充として食事をする。それだけです。楽しむ、美味しいなどの期待、感情は捨てております(笑)
Q:戦闘マシーンですね?
成りきれているかはわからないですが(笑)