話題の多い南関東
Q：よく「地区が盛り上がる」と言いますが、これはどういう理由から起こるものなのでしょうか？例えばナショナルチームならコーチが変わった、練習方法が変わったなど、のチーム全体のレベルが上がる直接的な理由がありますが、競輪の「地区」ではそういう直接的なものはないですよね。
グレードレースで優勝者が出ると、一気に盛り上がりますね。気持ちが盛り上がり、流れができる感じです。
2020年11月の競輪祭で郡司浩平さんが勝って、年末のKEIRINグランプリ2020で和田健太郎さんが勝って、年が明けて2月の全日本選抜ではまた郡司さん・・・「完全に流れが来てる」って思います。こうやってS級S班の選手が勝つと、他の選手も良い刺激を受けますよね。だから気持ちの面が大きいのかと思います。
Q：深谷知広選手も静岡に移籍しましたしね。
本当に心強いですね、あんなに強い人ですから。「僕も負けられない」って感じです。
Q：普段ナショナルチームで一緒にいますし、いざ連携するとなったらやりやすいですか？
よく聞かれるんですが、位置を決め辛いと思うんですよ（笑）
以前、静岡移籍の話が出る前ですが、「もし2人が一緒のレースに出たらどうする」という話をしたことがあって。その時は深谷さんが「俺の後ろ回ってくれるか」と聞いてきたんですけど、「いやっ、僕に前行かせてください」って・・・
でも脚質的にも深谷さんの方がレベルが上なんです。スピードもすごい。だから変に動いて邪魔をするのもアレなんで、僕が後ろを回って勉強させていただくというのも・・・あるんですかね・・・（笑）
Q：深谷さんの後ろについて不安はない？
不安はあります。普段一緒に練習していますし、離れないとは思うのですが、他のラインに狙われた時に横の動きをしながら対処できるか、というのが不安です。番手の仕事をやったことがほぼないので・・・もしやるとなったら、死ぬ気でやるしかないですけどね。
※横の動き：並んでくる他の選手を牽制すること
Q：ナショナルチームで横の動きの練習はしないですよね？
まったくしないです。縦の動きしかしないです。
Q：たまにでも「日本の競輪の練習をしよう」みたいなことにはならないんですか？
ありませんね。バイクを使ったアップ中にちょっとやることはあるんですが、それくらいです。
ケイリンの実戦練習はしない！？
ケイリンは6〜7人で走りますが、本番を見据えた練習はこれまでもほとんどしてきませんでした。体力づくりや、スピードアップなどのトレーニングだけで、ケイリンに特化した練習はしてないです。スプリントは対戦形式の練習をしていますが・・・
Q：実戦的な練習をしないで、どうやって戦略などを身につけるんだろう？と疑問に思うのですが・・・
戦略については、自分のイメージで走るしかないですね。「こう走りたいから、こう人を動かす」などを、動画を見てイメージする感じです。これは全体で行うものではなく、個人で行います。スプリントなども同様です。
Q：実戦的な練習がないのはとても意外です。不安はないのでしょうか？
特に感じないです。競技のケイリンで実戦さながらの練習はないですが、人の流れを見ることは日本の競輪で普段から行っています。それである程度培われているのかもしれないですね。
Q：なるほど。もしかしたら外国の選手に聞いたら、全然違う練習方法なのかもしれないですね。
どの種目が得意？
Q：ナショナルチーム内でも戦略の話をしたり、アドバイスしあったりなど？
そうですね。みんな垣根なくアドバイスしあいます。僕は最近はスプリントの練習が多いので、深谷さんによくアドバイスをしてもらっています。本当にたくさん教わっています。奥が深いです。
Q：以前お話を伺った際「スプリントはUCIポイントが足りなくて出場できないだけで、やるつもりはある」とおっしゃってましたね。
そうです、ワールドカップ（現：ネーションズカップ）に出るために1、2ポイントだけ足りなかったんです（笑）
ケイリンだけじゃなく、スプリントやチームスプリントなど、様々な種目を走れた方が絶対良いです。これからはスプリントにも出場していきたいです。
Q：チームスプリントはどのような状況ですか？
現在はスタートの練習のみで、「誰とチームを組む」とかもまだありません。スタートの練習も以前は苦手でしたが、上達していると思います。レベルアップを実感してます。
Q：現時点で一番得意なのは？
やっぱりケイリンです。スプリントはまだまだ上手く走れないです。ケイリンはロシアの大会でも金メダルを獲りましたし、ワールドカップでも銅メダルを獲りましたので、ある程度戦えるのかなという気はします。
