競技デビューとなる2019-2020シーズンは国際大会デビュー戦でケイリン優勝、さらにトラックワールドカップ初出場でケイリン銅メダルを獲得した松井宏佑。2020年末にはヤンググランプリで優勝と、自転車競技・競輪両方で活躍を見せている。

国際大会が開催されなかった空白の1年間を経て、2021年、改めて国際大会に挑む松井に、今の立ち位置、今後の目標などを伺った。盛り上がりを見せる南関東の話題や、ナショナルチームではケイリンの実戦練習をしない?など、意外な話も。

空白の1年、飛躍の1年

Q:競技デビューからいきなりメダル獲得の2019年。そしてコロナ禍に翻弄された2020年でしたが、昨年(2020年)をざっと振り返っていただけますか?

競技の面では、新型コロナウイルスで相次いで大会がキャンセルになった1年でした。国内では夏にオリンピックを想定したトレーニング(オリンピックシュミレーション)がありましたが、そこでのケイリンでは「今の自分の精一杯」を出せたかなと思います。

一方で、秋の全日本トラックはあまり良くありませんでした。調整したつもりだったんですが、全然ダメで・・・とにかく試合のない1年間で、目標がぼやっとしていました。オリンピックが延期になったことで、チームがちょっと盛り下がった時期でもあります。それでもトレーニングはしっかり続けてきました。

小原佑太/新山響平/松井宏佑(2020全日本トラック)

競輪では上半期、良いレースができなくて、納得する結果が出ずにいました。モヤモヤしていましたね。でもシーズン後半は結果が出てきて、自分でも「良い走りをしている」という実感がありました。

競輪祭では初めてのGⅠ決勝に乗り、「ラインから優勝者を出す」という自分の目標を達成することができました。その流れの中でヤンググランプリを迎えて、自分の強みのスピードを活かしたレースで勝つことができました。

W杯メダリスト松井宏佑『ヤンググランプリ2020』優勝/KEIRINグランプリ2020シリーズ

年が明けて、川崎での全日本選抜では地元地区として走りましたが、二次予選で敗退しました。

そこから負け戦ではありますが、積極的な先行で1着を獲ることはできました。目標だった決勝進出はできなかったものの「気持ちを途切らせず、最後まで走れたこと」は大きいかなと思います。

Q:競輪では後半から右肩上がりになっていました。ターニングポイントのようなものはあったのでしょうか?

特にないですね、勝手に上がっていった感じです。練習の積み重ねもあるだろうし、僕は自転車競技上がりの人間ではなく、新人の部類です。「走る経験」の積み重ねもあったかと思います。

話題の多い南関東

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