世界一になりたい
Q:小学生の時点で「競輪選手になる」と決心していた中野選手。高校卒業後は早稲田大学に進学していますが、高卒で競輪選手になる選択肢はなかったのでしょうか?
その進路も考えはしました。でも早稲田は様々な競技のトップ選手が在籍する大学です。そこで色々な経験をしておきたいと思いましたし、アマチュアの競技者としてもう少し頑張りたいという思いもあり、進学しました。
でも実は「競輪選手になる」と決心した小学3年生の時点で「早稲田大学に行く」というところまで決めていました。今のところ、思い描いた夢の通りに物事を進めることが出来ています。
Q:なんと!キャリアプランを実現している選手はなかなかいませんね。
子どもがカッコつけて考えたものが、上手いこと走っている感じですね(笑)でも一度描いてしまった以上「達成したい」と思っちゃいますし、負けず嫌いの性格も幸いしたのだと思います。何より本気で「そうなりたい」と思っていますから。
Q:そして今、夢を叶えるための競輪選手養成所の試験の真っ最中です。※インタビューは2020年12月に実施※
SPIや作文などの学科試験もあるので・・・・・その結果が悲惨だったら落ちることもあるかもしれないです。
Q:学科試験で落ちたら「早稲田が落ちたぞ?!」ってなりますよね(笑)
頭で早稲田に入ったわけではないので、勉強は苦手なんです(笑)
※2021年1月14日、無事合格が発表されました。
Q:今後競輪と競技の二足のわらじになっていったとき、それぞれの比重はどんな感じになるのでしょうか?
う〜ん・・・ちょっと難しい質問ですが、今第一に考えているのはオリンピックです。もちろんKEIRINグランプリで優勝したい気持ちもあるのですが、オリンピックは4年に1度ですし、「世界一になりたい」という気持ちが強いです。「世界」と戦えるのは競技だけですので。
Q:競輪が、競技が、と区別しているわけではなく「世界一になりたい」が一番強いということですね。
そうです。高校時代、競技の成績が少し良かったので、周りから「東京オリンピック目指すの?」と言われたりしていたのですが、内心では「東京は無理だろう」と思っていました。新田さん、脇本さん、深谷さんの実力には遠く及びません。「自分はパリだ」とその頃から思っていました。
Q:今のナショナルチームは人材が揃っていて、オリンピックを目指すにも良い環境かと思います。
そうですね。力が拮抗している選手が多いので「負けられない」と強く思います。今「勝ちたい」と思っている相手は深谷さんです。深谷さんにスプリントで勝てないと、それより上には絶対に行けないですから。
Q:子どもの頃に思い描いた最終ゴールは?
「頂点」です。競技としての頂点「オリンピックの金メダル」と、競輪の頂点「KEIRINグランプリ優勝」です。
Q:最後に2021年の抱負を。
2021年はネーションズカップなど、世界で戦う機会も増えてきます。まだ実力が足りないかもしれませんが、気持ちだけは優勝を狙って、たくさん経験を積みたいと思います。パリに向けてステップアップする1年にしたいです。