長野と競輪

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ナショナルチーム加入まで

Q:2020年、ナショナルチームに加入しましたが、どのようないきさつがあったのでしょうか?

練習に困っていたこともありましたし、(太田)りゆちゃんにナショナルチームのことを相談したら「風子がナショナルチームに入りたいと言っているけど?」とブノワコーチに聞いてくれました。その時のブノワコーチの返答が「問題ない」とのことだったので、直ぐに伊豆に家を借りて、りゆちゃんを通してブノワコーチの連絡先を教えてもらい、翻訳ソフトを使って英語で「家も借りました。これからよろしくお願いします!」と伝えました。自分からナショナルチームに入った形ですね。

Q:伊豆での暮らしはどうですか?

最高です!ロード練習に行ける環境があるし、伊豆の自然もすごく良い。ロード練習をしていて楽しいです。もちろん練習環境も整備されていて、やり易いです。しっかりここで勉強して、吸収したいです。ナショナルチームを卒業して東京に戻った後、1人でもこの練習が出来るようにしたいし、周りに興味のある選手がいれば教えてあげられるようにもなりたいです。

Q:梅川選手にとって「吸収」や「成長」がキーワードみたいですね。向上心が強いというか。

「自分が出来ないことをやりたい」という気持ちが大きいかもしれません。できるようになったらお終いかな、と。そういう気質は小さい頃からですね。

Q:もしオリンピックで金メダルを取ったら「あれ?次はどうしよう?」ってなっちゃいそうですね。

今のところ、それは宝くじを当てるみたいな夢物語ですけどね(笑)過程を楽しむというか、苦しいことを楽しんでいるのかもしれません。

全日本選手権は「全然楽しくなかった」!

Q:競技での初の公式試合(2020年11月に実施)、全日本選手権にてケイリン優勝の成績を収めました。日本一になって何か心境の変化は?

正直、特にありません。初めての大会で優勝できたことはもちろん嬉しいのですが、「女子の層の薄さ」があるので素直に喜べません。出場人数が少なく1発決勝でしたし、私はたった1本のレースで勝っただけです。これからレース回数が増えて、勝率が上がれば「自分は強いかも」と思えるかもしれませんが、現段階ではあまり喜ぶことでもないかなと。

Q:走る前は緊張しましたか?

めちゃめちゃしましたね。全然楽しくなかったです(笑)

苦しい道を選んで進む

Q:競技と競輪、どちらに重きを置いていますか?

う〜ん・・・「どっちだろう?」って感じですね。考えたことがないです。両方やることでお互いに活きるものがあると思うし、競技は続けられる年齢が短いから・・・あと3、4年で結果を残すものが競技、長く続けていくのが競輪、という感覚でいます。

Q:競技での目標はパリオリンピックですよね。オリンピックを目指したきっかけはありますか?

きっかけは色々あって、太田りゆ選手と話したことだとか、新型コロナで考える時間が増えたこと等もあったのですが・・・今29歳で、年齢的にギリギリです。あと3年、パリオリンピックのタイミングがピークだと思います。今スポーツをする上ではとても良い立ち位置にいると思うので、ただガールズケイリンの選手としてやるよりは、オリンピックという”苦しい”道を選んで成長するのが良いのではないかと考えました。

Q:「苦しい」という言葉はこのチームをよく表現したものだと思いますが・・・実際「苦しい」ですか?

競技そのものが「人と比べる」性質のものです。タイムを計り、選考され・・・その時点で結構苦しいと思います。こんなに精神的に追い込まれる場所は他にないですが、ここは「比べられる」場所だし、世界と戦うための場所です。レベルの違う場所に身を置いて、成長したいという気持ちがあります。

発走機で思うことは「辞めたいな・・・」

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