将来的にはアドバイザーに
1億人を超える日本人がいるのに、その中にツール・ド・フランスでステージ優勝が出来る選手はまだ出てきていません。日本国内にはロードのトレーニングセンターがなく、皆さんフランスで過ごすでしょう?それも問題だと思うんですよね。海外に行くことはあっても、そこは情報を得るための場所であり、拠点は自分の国にあることが理想だと思います。
HPCJCはトラックからスタートしましたが、自転車競技の全てに広げられると思っていますし、日本はそれだけのポテンシャルがあると思っています。ただ、本当に「やっていく」という強い意志がなければ、難しいです。
Q:ブノワさんはコーチですが、ディレクションにも関与しているような状態ですね。
オリンピックまではトレーニングに注力しようと考えています。あちこちに意識がいってしまうとよくありませんから、ディレクションはミゲルさんにお任せしています。でも将来的には徐々にそちらにも力を入れたいですね。
Q:将来的な話としてですが、ブノワコーチはどのポジションが自分に合っていると考えていますか?
ミゲルさんのアドバイザー的なポジションを担うのは、自分が適しているかなと思います。250競輪などのミッションと同時に、ナショナルチームとして上手くいくようにもしていかなければなりません。
そのような状況下において、現場とHPCJCの総務との架け橋になれるのではと考えています。現場の知識がありますし、HPCJCの方針と現場のニーズをうまくすり合わせることができるのではないかと。
Q:それはトラックの話なのか、自転車競技全体の話なのか、どちらでしょうか?
今の所はトラックです。しかし他の種目でもアドバイスが必要なら、喜んで引き受けたいと思っています。とはいえ現職の皆さんは自転車競技をよくご存知の方々ですから、日本に何が足りないかについて、私と同じ程度には語ることができると思います。
私の中心となるものは、トラック競技、そして日本の競輪となるでしょう。
【後編に続く】
【後編】日本に根ざして「春」を待つ トラック短距離ヘッドコーチ ブノワ・ベトゥ氏インタビュー/トラックナショナルチーム HPCJC