脇本先生のありがたい話
Q:先輩の話が出ましたが・・・ナショナルチームの先輩はどうですか?あそこを歩いている脇本雄太選手とか。
高橋:優しいですよ(笑)
※ちょうど近くを脇本選手が歩いていて、話を聞いて近づいて来ました
脇本:僕は競技のことをどう競輪につなげるかとか、若手の今後のことを思って全部教えていますよ。一番強く伝えているのは「レース映像をモニターで見る感覚と、自分がレース中に見て感じるものは違うから、レース中に見たものをきちんと覚えなくてはいけない」ということですね。
高橋:教えてもらいました!
脇本:難しいですが、自分の視点で見るレースと俯瞰的に見るレース映像の誤差を埋める訓練を積むんです。レース後にビデオで自分の動きを見ながら実際の感覚とレベル合わせをするのですが、自分が思っているよりも俯瞰で見た自分は反応が遅いんです。相手が動いた瞬間に動けるようにしないと、対応が遅れるんです。見て、動くまでの体が反応するタイムラグをどんどん埋めていかなければいけません。これは日本の競輪にも活きてきます。
でもこれは練習では身につかないんです(笑)僕もワールドカップを何度も走ってやっと出来てきたことですから。だから今回のシュミレーションも、ひとつも無駄にしちゃいけないわけですね。
Q:ワッキー先生ありがとうございます!
高橋:ありがとうございました!
スプリントに目覚めた
Q:話を戻しまして。トラック競技のどのような点に楽しさを感じますか?
競技はスピード感も全然違うし、駆け引きも面白い。そういう部分に魅力を感じます。
Q:ハロン(200mフライングタイムトライアル)では9秒台が出ていましたね。
走り終わってタイムを見たら初の9秒台だったので「やった!」と思いました!でもその後みんなが僕を上回るタイムを出してきて・・・「何でさっき喜んだんだろう」と思いました(笑)
でも、これまでは競技ならばケイリンが好きだったんですけど、今回のシュミレーションでスプリントが面白いと感じました。「こんなに奥が深いんだ!」って。
Q:それは誰と対戦した時に思ったのでしょうか?
「誰と」ということはなく「全て」でしたね。対戦している時は本当に面白かったし「あそこをもっとこうしていればよかった!」とたくさん思いました。改善点がありすぎて面白いというか。逆に言えば改善点ばかりだから、伸びしろがたくさんあるとも思いました。
レースが終わる度に深谷(知広)さんのところへ行ってアドバイスを貰ってたんですが、やっぱり深谷さんは凄いです。
Q:1レース終わるごとに(笑)?
はい(笑)
ちょっと迷惑だっただろうなと思うんですが、本物の大会では出来ないことだし、今回は特殊なレースだったので1本終わるごとに「今のどうですか」って聞きに行きました。
今後どの種目に力を入れていくかはまだ決まっていませんが、今回の感覚ではスプリントでもっと強くなりたいと感じました。
Q:直近の目標を教えてください。
今年の競輪での目標としては、ヤンググランプリの優勝です。来年以降はグランプリへの出場、ゆくゆくはグランプリ制覇して、その先はグランドスラムです!
競技では、まずワールドカップみたいな大きな大会に出たいです。そもそも「大会」というものに出たことがなくて、ワールドカップや世界選手権は「凄いところ」としか分かっていません。ちゃんと行って、感じてみたいです。