喜び、5%配合

前回のリオオリンピックから3年半、ジュニア時代から長い時間を自転車競技へ懸け続け、トラック競技の頂点を目指し続けた。その日々は新田にとってどのような時間であったのか。

「この3年半はただただ苦しかった。喜び5%、後の95%は苦しみでした。

ただ、こんなにオリンピックを目指す事へ集中し続けたことは無かったし、このような環境を作ってもらったこともありませんでした。こういった環境を作ってくれた方々へ感謝しています。そして、このように物事を進めると成功するんだなということも、なんとなく理解出来たのだと思います」

先に述べた様に、新田は以前から「この世界選手権が人生最後」と公言していた。この最後の世界選手権が、競技者人生の中で最も成長し、学びの多かった世界選手権であった。新田は東京オリンピックで、本当に自転車競技を辞めてしまうのか?

1/16 Finals / Men's Sprint / 2020 Track Cycling World Championships, Nitta Yudai 新田祐大, Sam Ligtlee サム・リグトレー

「もう競技はやりたくないです(苦笑)ロンドンオリンピックの直前、メルボルンの世界選手権の時も、凄く苦しいと感じていました。でも、あの時は『またやりたい』と思えたんです。今は『悔しい』とか『もう1回』という言葉が頭をよぎることもありますが、やりたいと思うことは無いなって思います。

もう1回・・・・

ん~~~~~~~

・・・

やらない(苦笑)

って何回も考えました。重すぎます。だから優勝する人は僕らが想像出来ないくらい、本当に苦しい思いをしていると思います。

今後の世界選手権に関しては二度と出ませんが、自転車競技は凄く好きだし、自転車競技へ今後も僕は関わっていきたいと思います。それがどのような形になるかもわからないですし、時間はまだまだあると思うので、いろいろ考えていければなと思っています。たくさんの人たちに相談しながらやっていきたいですね」

フィニッシュ地点はどこか