強さの秘密は「人間関係」

世界選手権で締めくくりになる今シーズンですが、会心のレースはどれでしたか?

ワールドカップ第5戦ですね。落車が無ければ勝てたと思います。テンポは良い感じで走れたし「アーロンが1位でいいから」って集団を引っ張ったりしたし、スクラッチも全然行けたし・・・

第5戦のテンポレースではアーロン・ゲイトが1着、橋本が2着だった

アーロン(・ゲイト)とは、言葉を交わしているわけじゃないけど、なんとなく意思疎通をしながらレースをしている、って感じでしょうか?

そうですね。僕は海外選手と仲が良いことが自分の強みだと思ってるんです。

例えばワールドカップ第4戦で僕の4位が確定した時に、ザカロフの前を走ってあげたんですよ。自分の順位が変わらない程度で、ですけどね。

第4戦ではアリヨム・ザカロフが3位、橋本は4位だった

第5戦はポイントレースの最後にキャメロン・マイヤーがラップ(1周追い抜き)しないようにザカロフが集団のスピードを上げてくれました。そういう「貸し借り」があるんです。もしあそこでマイヤーがラップしていたら僕はメダルを獲れなかった。

レースを通してコミュニケーションをとって、友人としての関係を築くことで有利なことがたくさんあるんです。一緒に逃げてても信頼関係があるから止まらないし、そういうのがないとダメなんですよ。全部繋がっているんです。

ザカロフと健闘を称え合う@アジア選手権(10月)

ヨーロッパの選手とはあまり繋がりがないんですけど、アジア、オセアニア、アメリカの選手とは繋がりがありますね。ヨーロッパ勢とそれ以外・・・みたいな構図がうっすらとあるかもしれません。そういう意味で英語ができてコミュニケーションを取ることはすごく大事だな、と思っています。

強い選手はこういうことができているように見えます。これって競輪にもちょっと繋がってきますよね。

競輪場をデートスポットに?

最後に僕は競輪選手ですから競輪の話をすると、競輪場をデートスポットにすることができればいいなあって思ってるんですよ。野球観戦デートはあるんだし、スポーツとギャンブルと、あとエンタメを上手い具合にかけ合わすことができないかな?って考えています。

でも僕は競輪場に入れないんですけどね(笑)!

※選手はプライベートで競輪場に入れない決まりがある(施工者による)

と”橋本流”でインタビューに答えてくれた橋本英也選手。彼の走りはどこが限界なのか外からは感じられないほど、幅を感じる。それは本人の性格でもあり、敵となる周りのサポートもあり、そして見据える目標からも来ているのだろう。

橋本英也の準備は整った。
さあ世界選手権で世界を驚かそうではないか。

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