日本語の会話能力は日進月歩

そういうことで、日本語能力もグングン向上しています。DVDドライブと共に、日本語のテキストとメモ帳を競輪場に持参し、積極的に勉強している姿は私も見習いたい位です。7月中には日本語のテキストを終えた模様で、8月からは新しい単語帳を使っていました。覚えた表現はノートに書き写して、寝る前に読み返したりしています。「〇〇って日本語でなんて言うの?」と通訳のわたしにもよく尋ねてくるので、後半の私の役割は通訳&日本語の先生という感じでした。

なお余談ですが、ボスのノートはコーヒーをこぼした跡がいくつもあり、真っ白なはずのノートが半分ほど茶色いのです。

「コーヒーこぼしすぎだよね!」と問い詰めると、「I study too much.(多分勉強のしすぎかな)」と軽くあしらわれます(笑)

「世界中で競輪選手が一番いい仕事だよ」

記者さんなどのインタビューで彼がしきりに言っていた言葉です。

世界的には自転車競技はスポーツであって、ギャンブルではない。大きな大会で優勝をしても、名誉を手にすることは出来ても大金持ちになることは難しい。ボスのような選手にとって、好きな自転車に乗って、そしてお金を稼いで、こんな素晴らしい仕事は他にはないだろうな、と通訳のわたしから見ていても思います。(そのための努力が人並みでないことは重々分かっているが)

ボスも自己紹介のときには「わたしの目標は、競輪選手に、なることです(日本語)」とも言っています。もちろん半分冗談だとは思いますが、競輪選手という「仕事」への憧れの裏返しのように聞こえるのは私だけでしょうか?

最後に

やはりどんな人でも5ヶ月間という時間、寝食を共にすると、様々な面が見えてきます。ネットや新聞で見るような、男前でキラキラした部分だけではなく、感情的になったりナーバスになったりといった人間的な面ももちろんあります。逆にそうした裏側を見れたことで、一流のアスリートであり続けられる所以をより深く理解できました。ぜひ来年もオリンピックで、その後の競輪でまた「私たち」競輪ファンを沸かせて欲しいと思います。

こんな生活をしていたのか!競輪ド素人の通訳が見た競輪場の「ウラ側」