ハロンでは3大会連続自己ベスト更新中

Q:スプリントのほうに話を移すと、トルコで行われた『ネーションズカップ』ではハロンで自己ベストのタイムを更新しました。
ただ、トルコは高速バンクだったので、参考にはならないと思っています。その前に出たマレーシア(アジア選手権)で出した9秒660が基準と考えています。実は、去年のデンマーク(世界選手権)でも、みんながバンクが重いと言っていたなか自己ベストを出せました(9秒711)。それが、4年ぶりの更新だったんです。
Q:そんなに更新できていなかったのは意外です。
ケイリンの能力は伸びているのに、ハロンは全然伸びていなかった。去年から少しずつではありますが更新できているので、徐々に伸ばしていければなと思います。
Q:『全日本選手権』での目標タイムは?
9秒5は出したいですね。そのタイムを出せれば、世界の舞台でも上位6人くらいに入れると思います。
スプリントにしろケイリンにしろ、後ろを引き摺り回すような走りをするには、それくらいのタイムを出せるまで持っていかないといけないと思います。
Q:ケイリンでの上がりタイムとハロンが同じ、というのは不思議ですよね。
先ほど話したトルコでは、ケイリンが先に行われて9秒4という上がりタイムを出せていたので、ジェイソンからもハロンで9秒2は出せると言われていたんですよ。それなのにハロンも9秒4で、嘘だろって思いました(笑)。ハロンでの走りを理解できていないのかなと、練習で試行錯誤しています。
ベロドロームは最も良く走っているバンクなので、そこで9秒5を出すことができたら、進化の証明になると思います。
中石湊との意外な縁
Q:ナショナルチームもフルメンバーでの参戦となりますが、中野選手のなかで意識している選手はいますか?
やっぱり、(太田)海也ですね。マシュー・リチャードソン(イギリス)とかハリー・ラブレイセン(オランダ)と並ぶ世界トップの選手です。そういう選手と普段から練習ができて、レースで真剣勝負ができるというのは、チャンスでもあると思います。不動の1位ですよ。
Bチームで言えば、中石(湊)も力をつけてきています。じつは、中石とは住んでいるところが隣同士なんですよ(笑)。
Q:えっ、そうなんですか?
自分が先に住んでいて、隣の部屋が空いたのは知っていたのですが……中石が引っ越すときに聞いたら、「んっ?それ俺んちじゃね?」って(笑)。常に連絡を取り合ってるわけではないですし、監視し合っているわけではないですが、今は一緒にご飯に行ったりもしますよ。

隣の中石さん
Q:そんな偶然もあるんですね。
中石も僕も、それから海也も、長い距離を踏んで戦って行けるタイプ。もしその3人がレースでぶつかったら、めちゃくちゃめんどくさいことになると思います(笑)。
Q:想像するだけで恐ろしいです。
ハイスピードで、お互いにどんどん仕掛けてペースが上がっていくようなレースになるでしょうね。
そういった厳しいレースになったとしても、気持ちよく勝って、世界選手権へとつなげていきたいです。
▼『2025全日本選手権トラック』関連記事・選手インタビューはこちらから