世界選手後はスイスでリフレッシュ

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「少しでも獲らなきゃ」と走った結果、銅メダル

内野艶和, UCHINO Tsuyaka, JPN, アリアン・ボノム, BONHOMME Ariane, CAN, ジョージア・バーカー, BAKER Georgia, AUS, 女子ポイントレース, WOMEN Elite Points Race, 2023世界選手権トラック グラスゴー, 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK Glasgow, Great Britain

Q:改めて世界選手権、3位を獲ったポイントレースについて聞かせていただきます。最後の最後まで4ポイント、10位くらいの位置にいました。終盤での自分の順位は把握できていましたか?

「なんとなく」でしたね。トップにはラップ(集団を1周追い抜くこと)で差をつけられていて、追いつくのが難しいことはよくわかっていました。でも3番手から自分までがどれくらいの差なのかは、よくわかっていなかったです。

Q:レースでは最初に1ポイントを2回獲り、しばらく静かになって、また2ポイント獲って……という感じでした。最初からポイントを獲ることは作戦だったのでしょうか?

これまでは周りが疲れてるタイミングでポイントを獲りに行こうと思って、結局獲れないことが多かったんです。なので今回は「獲れるならば行こう」と最初に仕掛けていきましたが、埋まったりして4着1ポイントを2回しか獲れなかったので、もったいなかったです。

理想は1着5ポイント、ダメだったとしても2着3ポイントくらいまでに納めたいなと思っていました。なので2回連続1ポイントになった時はヤバいと思いましたね。

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Q:その頃には、スプリントするのも大変になっていました?

全然違いますね。スプリントをすると一気に脚に疲れがきますので、そこからは溜めて溜めて、という感じでした。

Q:最後のゴールスプリント時の疲れ具合はどうでしたか?そこまで溜めてたぶんフルパワーで行けたのか、まだ疲れはあったのでしょうか。

そこまでに合計で4ポイント獲ってたので、脚には疲れがありました。ヤバいと思っていたのですが、最後の20〜30周で全体のペースが少し落ちたんです。そこで脚を溜められたので「最後は勝負できる」と思いました。それで出し切るつもりで走りました。

Q:「ゴールスプリントで1着を獲ればメダル獲得できる!」という認識は?

それもありませんでした。ポイントが獲れていなかったので「少しでも多く獲らなければ」と走った結果が3位でした。終わった後に電光掲示板を見て「あれ?」って。びっくりしましたね。

嬉しさより、驚きの方が大きかったです。みんなが「おめでとう!」と言ってくれて、それで嬉しさを感じました。

超えられない「高2のインターハイ」

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Q:メダルを一番喜んでくれたのは誰でしょうか?

マッサーの青山(ゆう)さんでしたね。いつも自転車を降りてすぐにアイシングの道具や上着などを渡してくれるのが青山さんなのですが、いつも通り走って駆け寄ってきてくれて、「おめでとう〜!」と言いながら、ちょっと泣いてくれました。危うく、もらい泣きしそうになりましたね。「こんなに喜んでくれる人っているんだ」って思いました。

結局泣くことはありませんでしたが、あの時は自分自身に実感がなかったんです。メダルを獲りたい気持ちはもちろんありましたが、去年(2022:4ポイント獲得で13位の成績)のレースなどを振り返って「今回はまずは1ケタ台が目標」って感覚でした。表彰台に上がれると思っていなくて……

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Q:これまでで一番嬉しいメダルになりましたか?

勝ちに行って勝てることが、一番嬉しいことです。ジュニアの世界選手権で優勝した経験もあるけれど、一番嬉しかったメダルは?と聞かれたら、今でも「高2のインターハイ」と答えてしまいます。あれは勝ちたいと思って、挑み、そして勝てたレースでした。エリートのレースだと不安もあって、そういう気持ちになりきれないんです。

今回もメダルを獲れはしましたが、1位2位との差は大きいものでした。やっぱり獲るなら1位と思いますし、今回のメダルは「やっとここまで来たな」という感覚が近いと思います。

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Q:手応えはありましたか?

はい。走れるようになったなと感じます。でもその一方で「これでも3位なんだな」という感覚も大きいです。

Q:このレースを橋本英也選手のすぐ横で見ていたのですが、橋本選手と私は、レースを見ながら「いや〜もう結構脚来てるんじゃない〜?」→「おっ、いけるいける、いけ〜!」→「すごい最後1着じゃん!まあ終わりよければ全て良しだよね!」→「順位はどうなったんだろ〜……えっ!?3位じゃん〜!すげー!!!!!!!!!」って感じでした。

めちゃめちゃ目に浮かびます(笑)

橋本英也, 2023世界選手権トラック グラスゴー, 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK Glasgow, Great Britain

橋本英也

「生活」の重要さ

Q:レース全体として、疲労感はどうでしたか?

疲れました!でもどの選手がレベルが高いのかを把握できていたし、去年よりは楽しかったと思います。表彰台に上がる選手たちはラップを余裕で行ってきます。私は走っているだけでもキツいのに、スンッ!とラップしていく。しっかり脚を溜めてラップをすること、そのスピードなどに実力の差を感じます。

Q:その「差」はどういうところにあるのでしょう?

持久力が大きいと思います。でも私はスピードも含めて、まだ全然です。

Q:これからの課題はどんなところですか?

一言で言えば「(梶原)悠未さんみたいになる」ということかなと思います。練習を頑張るのはもちろんなのですけれど、他の道を断ち切っているみたいなところがあるじゃないですか。

「競技のために生活する」……もちろんそういった気持ちで行ってはいるのですけれど、もっと質を高くできると思います。すべてを賭ける覚悟みたいなものがまだ足りないのではないかなと思いますし、「どうやってやればいいのか?」と思っちゃう部分もあります。

普段の生活から無駄な時間を作らないようにしなければいけないのかもしれません。部屋を片付けるとか、洗濯物を干しっぱなしにしないとか……そういうちょっとしたこと、ちまちまの継続が個人的に苦手なんです。そういうところから自分を変えられたら、自信もついてくると思うんです。

まだまだ頑張れるところがあるんじゃないか、と思いました。

気持ちをコントロールすること

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