実は把握している選手ごとの特徴
Q:対戦相手の研究などはしていますか?
はい。練習する時は考えています。加えて僕は他の地区との境目が無いせいか、他の選手の情報が入ってくるんですよ。みんなと仲が良いからこそ、レースの話も全部聞けています。「相手がこう動いたからこうした」みたいな話も入ってきます。そうすると、いろんな選手のタイプがわかるんです。
Q:脇本塾のような形でよく教えていますよね。だからこそ、そうした情報が入ってくるのでしょうか?
そういった面もあります。僕の場合はオープンに情報を与えているのですが、情報を与える代わりに情報をもらえています。
みんなのレベルが上がれば、競輪界が盛り上がると思うので、僕は自分が持っている情報をフルオープンにしたいぐらいです。やる気の無い選手は淘汰されてしまうでしょうが、それがプロですから普通だと思います。
好きではないが楽しい 脇本流仕事の考え方
Q:競輪選手じゃなかったら、どんな自分になっていたと思いますか?
工場とかで働いていると思います。自分の人生では、好きなことを仕事にする気は無いんです。
Q:今やっていることは好きなことではないのでしょうか?
好きなことではありません。好きなことを仕事にすると、仕事を嫌いになった時に好きなことも無くなって、人生がつまらなくなっちゃうので。人それぞれで考え方は違うと思いますが、この仕事ができれば“あの好きなことができる!”そういった楽しみがないと仕事って頑張れないです。
Q:では脇本選手は競輪選手が仕事ですが、楽しんではいないということでしょうか?
ゲームをやるような楽しさとは違いますが、仕事は仕事として楽しめています。「こんな練習をしたらレースで勝てる」みたいな研究を進める楽しさがあります。発見がありますし、結果が功績として認められるので楽しいです。