インドの洗礼

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伸びしろが僕らの武器

アジア選手権トラック2022, 男子チームスプリント

Q:カレーの話ばかりになっていますが、レースの話も聞いておきましょう。チームスプリントの2走として出場しました。タイムは初めての割に良かったと思いますか?

12秒5とかでしたね。興奮してて何度もタイヤが跳んだりしていたので……力が入りすぎて後輪が滑るみたいな感じでした。まだまだ荒削りだと思います。

Q:でも、それでこのタイムは評価できると思いますが。

そんなに合わせていない状態で今回のタイムでした。終わってからヨシさんと「今このタイムなら世界と戦えるレベルまで十分持っていけるね」と話しました。伸びしろがあるところが、僕らの強みだと思います。

でも、レースが終わった直後にはヨシさんから「お前調子に乗んなよ」って言われました(笑)

Q:何ですか、その話は?(笑)

「めっちゃ嬉しい〜優勝できた〜」って浮かれてニコニコしてたからだと思います(笑)優勝したことよりは、タイムが出たことがより嬉しかったですね。でもそこで「お前調子乗んなよ」って言われたんで「あっすいませんでした」って(笑)

アジア選手権トラック2022, 男子チームスプリント

インドでお腹を壊したからこそ

アジア選手権トラック2022, 男子チームスプリント

Q:初の国際大会でメダルを獲得したわけですが、嬉しさとしてはどうでしたか?

自分たちの力に対して、順当な結果をちゃんと獲れたなって感じです。

Q:でも良い経験ではありましたよね。

そう思います。どんな競技や物事であっても、成功体験って大事なことだと思いますから。

一番良かったと思うことは、こんな体調不良の中でも優勝できたということ。というのも、僕は試合の前って結構シビアに物事を考えてしまう方で、ちょっとでも調子が悪かったりトラブルがあったりすると、マインドが弱ってしまう。

でもインドではそんなこと言ってられなくて、お腹は壊してるし、体は重いのか軽いのかよくわからん状態。それでも優勝できたのがすごく良い経験になったなと思います。弱い自分を、インドでお腹壊したことで克服できましたね。

Q:では最後に……インドのカレーについて総評をお願いします。

……自分で家で作るカレーの方が、3倍くらい美味しかったかも(笑)食べたのはホテルのカレーだけだったので、インドの町で食べるカレーとはまた違うのかもしれないですが、想像を越えた美味しさには出会いませんでしたね。「カレーが食べたいから」という理由でインドに行くことはないだろうなと思います。

でも、違う文化とか違う環境に入っていくのは大好きです。インドに行けたことはすごく良かったと思います!

太田海也