素直で子どもだった、18歳の海外生活
当時18歳の僕は、すでに英語を話すことができていました。そのため海外で生活することに何も抵抗もなく、子どもの頃から海外への憧れも強かったこともあり、海外での毎日は本当に楽しいだけの時間。
もちろんきついトレーニングもあったり、全く概念になかったトレーニングをしたり……今では当たり前のことだけど、当時の自分としては学びも多くありました。
トレーニングの強弱でパフォーマンスが落ちることが理解できなかったり、それが態度にも現れたり……今振り返ると本当に素直で子どもだったなと思います。
海外で新たな価値観と出会う
また競技以外でも、同年代や年上の海外の選手と同じ環境で生活することで、今までの自分の当たり前が、当たり前ではないことに気がつきました。先輩後輩の感覚に違和感を覚えたというか……。
コーチが僕を「友達」と言ってくるし、コーチも自分のことを「友達と思え」と言ってくる。でも僕の(従来の)感覚では、コーチはコーチ。学校の先生を「友達」と呼ぶみたいなもので、日本人の縦社会からすると違和感のある場面でしょう。
でも、ここには海外特有の信頼関係があるのだと思います。実際ジェイソンやブノワ※も「Good morning my friend」と言ってくるように、友達という言葉を実際に口に出す場面がかなりあります。
※ジェイソン・ニブレット短距離ヘッドコーチと、ブノワ・ベトゥ トラック・テクニカルディレクター
そしてスイスには家族との時間を大事にする習慣があり、日曜日はレストランを除いたあらゆる店がお休み。スーパーやショッピングモール、遊べるところは全て休み!
これは僕たち日本人の感覚からすると、休みの日に買い物に行けないって違和感があるかもしれないけど、こういうところはすんなり受け入れることができました。