体操、レスリング、タグラグビー

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限られた範囲でスポーツをしていた少年時代

Q:最初に体操を始めたきっかけはなんだったのでしょう?

小さい頃の微かな記憶ですが、くるくる回るのがかっこよく見えて……「ああいうのしてみたいな」と自分から親に言った覚えがあります。

Q:親が「習い事としてやらせてみよう」というパターンかと思いました。自分からだったんですね。

「習い事はできるだけしないでほしい」という家だったんです。本当は小学生の頃からサッカーがしたかったんですけど、親が「送り迎えができないから」という理由でできなくて。それでいろんな競技を転々としていましたね。

Q:きょうだい構成は?

4人きょうだいの3人目です。上も下もいて、あまり手がかけられないというのもあったと思います。

昔から僕だけ常に動いていて、親から「多動症なんじゃないか」と心配されていましたね。

Q:比較的マイナーなスポーツをわたり歩いていますが、どういう理由でそれらを選んだんでしょう?

月謝がなかったり、少なかったりするもの。それから親が車を出してくれなかったので(笑)その中で自分が興味のあるものを選んでいました。

Q:ボートもそうですか?

いえ、ボートから一気に選び方が変わったんです。高校に入ったら「その高校で一番有名な部に入りたい」という気持ちと「サッカーを続けたい」という気持ちの両方があって、悩んだ結果その高校で名物の部活、ボート部を選びました。ボートなら自分の体でもできるんじゃないかな、と思ったこともあります。

Q:サッカーからボート、自転車と、足の強いものが続きますね。

あっ……言われてみれば(笑)!でもサッカーって、下半身が重いと絶対ダメなので、周りに評価されたことはなかったです。

Q:サッカーの成績はどうでしたか?

自慢できるような成績は無いです。でも中学から始めたのは僕だけ、という環境の中で、中2の終わりからレギュラーになれたのが唯一の自慢です。

Q:初心者からレギュラーになれたんですね!

はい、そこは自信に繋がりました。

実は喘息持ち、コンプレックスを越えて

Q:将来的にプロとしてスポーツをやりたいという気持ちは昔からあったんですか?

それが……しんどいことがずっと嫌いで、息が上がることをしたくないなと思っていました。なるべく息が上がらないことをしないで生きたいと思っていたのですが、なぜか……(笑)

実は小さい頃から喘息持ちで、ちょっと動くだけで発作が出るような体質だったんです。しんどいですし、コンプレックスでした。でも年齢を重ねていき、治っていったので、体調に合わせて自転車やボートが好きになっていったように思います。体を動かすのが好きになりました。

Q:喘息が出なくなったのはいつ頃でしょう?

高校に入る前後くらいです。最近も出ることはあるんですが、「常に出る」ということがなくなったのはボートを始めたあたりですね。

Q:ということは、喘息を持ってる状態でサッカーを頑張ったんですね。

たまたま一つ上の先輩にも喘息持ちの人がいて、その人もレギュラーだったんです。だから「僕なんか全然大丈夫」と思ってやっていました。

でも今思うと、あの頃に喘息がなければもっとやれていただろうなと思います。成長痛も酷くて、中学時代はスポーツには色々と悩んだ時期でした。

「勝手に大学を辞めた」ボート時代の苦悩

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