東京オリンピックから正式種目となったBMXフリースタイル・パーク。8月1日に決勝戦が行われ、女子はイギリスのシャーロット・ウォージントンが逆転勝利。男子は93.30点をマークしたローガン・マーティンが優勝し、男女それぞれで初代チャンピオンが誕生した。

日本から出場した大池水杜は7位、中村輪夢は5位となった。

今大会から正式種目となったBMXフリースタイル・パーク

近年、自転車競技全体が「若者離れ」「開催地問題」などの課題を抱える中、徐々に注目を集めてきたのがBMXフリースタイル・パークだ。

会場がコンパクトなため、都市型スポーツとして開催場所の課題が少なく、観客席からは全てのパフォーマンスを見ることができる。さらに選手たちが繰り出すド派手なトリックは、見る者をシンプルに魅了することができる。

そうした中、他の自転車競技とは一線を画す独自の文化として発展を遂げてきたBMXフリースタイル競技だったが、2016年にUCI国際自転車競技連合が統括することが決定。そして翌年の2017年、東京オリンピックからオリンピック正式種目になることが決まった。

世界の精鋭9人が勝負

正式種目となって以降、各地で出場枠獲得争いが行われ、最終的に出揃ったのは男女それぞれ9選手。男女ともに国別ランキングトップのアメリカが2人を送りこみ、それ以外は各国1人の出場となった。

競技は7月31日から2日間にわたって開催。初日は決勝の走行順を決めるためのシーディングランが実施され、翌日8月1日の決勝にて、男女それぞれ9選手が走る。

各選手1分間のライディングを2回行い、最終的に得点の高かった選手が勝者。

得点はジャッジ5人の採点で決まり、技の完成度や難易度、ジャンプの高さ、独創性、技の多さなどが総合的にジャッジされていく。

最高点は99.9ポイント。トリックの着地ミスや、足が地面につくと大きく減点となるため、ノーミスは最低条件だ。一方、リスクを背負って高難易度の技をメイクしなければ、メダル獲得はありえない。

用意されたセクション内で、どのラインを通り、どこでどんなトリックを行うか。すべてを選手たちのスタイルに委ねられるBMXフリースタイル。新たに誕生した最高峰の舞台で、極限のトリックが次々と繰り出されていった。

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