2日間の勝ち上がり方式
7月29日から2日間の日程で行われれるBMXレーシングの出場人数は、男女それぞれ24人ずつ。
初日の準々決勝は1レース6人で、ランキング順に4組に振り分けられる。それぞれ3レースを行い、合計ポイント上位4人が翌日の準決勝に進出することになる。
2日目の準決勝以降は、1レース8人。準決勝は準々決勝同様、3レースの合計ポイントで上位4人が決勝進出となる(合計ポイントが少ない方が上位)。
決勝まで勝ち上がれば、最大2日間で7レース。様々な展開が予想されることから、1レースたりとも取りこぼしができない緊張感のあるレースが続いていくことになる。
7/29(木) | 男子準々決勝 女子準々決勝 |
10:00〜12:00 |
7/30(金) | 男子決勝 女子決勝 |
10:00〜12:20 |
東京2020を制すのは誰か?注目選手ピックアップ
男子
男子の注目は代表3人を送り込んだ、自転車大国フランス勢。2011年、2016年の世界王者、ジョーリス・ドデー(30歳)は長年BMXレーシング界を引っ張り続けるレジェンド的存在だ。ロンドンとリオでは、優勝候補と目されながら決勝進出さえ叶わなかった悔しさを胸に悲願の金メダルを目指す。
またリオオリンピック以降一気に頭角を現した2018年の世界王者シルバイン・アンドレ(28歳)、昨年のテスト大会で優勝したロメイン・マヒューも優勝候補だ。
対する注目選手は、2015年の世界王者オランダのニーク・キンマン(25歳)。近年のW杯シリーズでも強さをみせつけ、2019年シーズンには年間で6度の優勝を手にしている。
そして、忘れてはいけないのが前回覇者、アメリカのコナー・フィールズ(28歳)。新型コロナウイルスの影響で今シーズンはワールドカップに参戦していないため近況は未知数なものの、BMX発祥国として負けられない戦いに挑むことになる。
日本からの出場は長迫吉拓。リオに続き2回目のオリンピック出場となる全日本王者は、リオオリンピックから4年、さらに進化をとげて東京オリンピックに挑む。
世界トップレベルのコーナリングテクニックをもつ長迫にとっては、コース後半どこからでも勝機を伺うことができる強みをもち、今回のコース設定は有利に働くに違いない。
女子
女子の注目は大会3連覇を狙うコロンビアの英雄マリアナ・パフォン(29歳)。世界王者に輝くこと3度。輝かしい実績で世界中の女性BMXレーサーの憧れでもある彼女が、今回どのような走りをみせてくれるのか注目があつまる。
対するはリオオリンピックの銀メダリスト、アメリカのアリース・ウィロビー(30歳)。さらにはオランダのスマルダー姉妹。姉のラウラ・スマルダー(27歳)は、2018年の世界王者でヨーロッパ選手権3連覇など、近年圧倒的な強さでBMXレース界を席巻している。
そして日本にルーツをもつオーストラリア人レーサー榊原爽(さかきばらさや・21歳)にも注目だ。母親が日本人で幼少期に日本に住んでいた榊原は、日本でBMXをはじめ、その後オーストラリアに移住。
兄の魁(かい)とともに実力をつけ、兄弟でオーストラリア代表に上り詰めた。そして共に東京オリンピックのメダル獲得を目指したものの、昨年兄がレース中に落車で大怪我を負い、兄弟でオリンピック出場する夢は叶わなくなった。それでも兄の思いを胸に、第2の故郷、東京で金メダル獲得を目指す。
最後は、日本代表の畠山紗英(22歳)。2017年から拠点をスイスに置き、東京オリンピックに照準をあわせて地道に着実に成長をとげてきた畠山。今シーズンのワールドカップではついに3位にはいり、表彰台まで上り詰めた。
もともとジャンプを得意としている畠山は、この数年でスピードとパワーに磨きをかけたことにより前半を集団前方でクリアし、コース後半で持ち味を発揮できるようになってきた。そんなジャンプが連続する区間で先頭との差をつめていく彼女のスタイルが、今回のコースでは有利に働いてくるに違いない。
海外での経験をつみ重ね、大舞台にもひるまない精神力も兼ね備えた畠山。母国開催の初の大舞台でもけして気負うことなく力を発揮すれば表彰台も見えて来るだろう。
Text : 継松彰宏