2020年10月24・25日に大阪で開催された全日本選手権BMXレース。この大会の裏側には「大会を変えたい」という熱き想いを持った、2人の人物の存在があった。

2人のうちの1人、三瓶将廣。かつては選手として活躍し、現在はBMXレース日本ナショナルチームのコーチとして活動する。本大会にて、三瓶コーチは初めて大会運営として参加。競技歴25年のうちに培ってきた「理想の大会」を実現するために奔走した。

この記事では三瓶コーチへのインタビューを通してこの大会の思惑、意義をお伝えしていく。

 

自分が運営の舞台に入らなくては

Q:コロナ禍での開催となりましたが、選手たちが集まってくれましたね!

世界中でレースのない日々が続いていました。選手たちが懸ける想いも強かったと思います。東京オリンピック代表内定の長迫吉拓は「タイトルを絶対取らなければいけない」というプレッシャーの中で戦いました。地元の吉村(樹希敢)くん、ディフェンディングチャンピオンの中井(飛馬)くん・・・今回、全員がそろった舞台でした。「一発勝負の大会」に慣れていかないと、海外ではやっていけない。勝った負けたに関係なく、良い経験になったと思いますね。

Q:今回BMXレーシングの全日本選手権を取材するにあたり、事前に勉強しようと思ってネットで色々探したんですが・・・情報が全然なくて・・・

そうなんです。今BMX連盟でフルタイムで働いている人は0人。人手もないしお金もない。仕方ない部分があるにしても、おっしゃる通りそもそも情報すら開示できていません。メディアの露出も少ないですし、今回はスポンサーを獲得してバナーを用意しましたが、それがなければブランディングなども無い殺風景なコースで見栄えも良くありません。今後のためにも「どういう写真を撮ってもらうべきか」「どんな映像を作るべきか」は気にしてきました。

またこれまでの大会ではイベント会社さんは入っておらず、選手の保護者やボランティアの方に協力していただいていました。実際僕の母も、長い間役員的な立場をやっていましたので、そのような点も変えていくべきだと思っていました。

そんな現状を、これまで選手やコーチとしてずっと見てきました。そうして「運営の舞台に自分が入っていかなければ変わらない」という想いが出てきたんです。

今回こうしてチャンスを得ることができてよかったと思っています。これからイベントも作っていかなければいけないし、外の人からも楽しんで観てもらえるように情報を発信していかなければいけません。改善点はまだまだ多くあります。

会場を華やかにする意図とは?

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