BMXの種類
BMXは大まかに分けて2種類ある。速さを競う「BMXレーシング」と、パフォーマンスの質を競う「BMXフリースタイル」。スピードスケートとフィギュアスケートの違いと同じようなもの、と考えればわかりやすいのではないだろうか。フリースタイルはさらにパーク、ストリート、フラットランドなどに細分化される。ここからは種目の概要を簡単に見ていこう。
BMXレーシング
レースは350mのサーキットで行われる。8人の選手が8mの高さに設置されたスタート位置から発進し、大小様々な起伏のあるコースを駆け抜ける。コースのレイアウトによっては、最大5m近くまでジャンプすることもある。
BMXレーシングは自転車競技の入り口となることも多く、トラック競技で活躍するハリー・ラブレイセンもBMX出身。
またトラックワールドカップ第5戦でチームスプリントのピンチヒッターとして参加し、見事金メダルを掻っ攫った長迫吉拓も、現在は主にBMXレーシングで活躍している。彼のスタートダッシュの速さは「基本的に立っている競技」であるBMX由来だろう。
なお、BMXレーシングは2008年北京大会よりオリンピック正式種目となっている。
BMXフリースタイル・パーク
「パーク」と称される様々な形のジャンプ台が設置された広場で行われる。ジャンプしながら宙返りをしたり、自転車をぐるぐると回したり、ハンドルから両手を離したりなど様々な技があり、それらの難易度や完成度、技のコンボなどを評価していく。
フリースタイル・パークは2020年東京大会よりオリンピック正式種目となった。日本人選手としては、メディア露出も多い中村輪夢選手などが活躍を見せてくれそうだ。
BMXフリースタイル・ストリート
その名の通り、路上で行われる。街にある壁、棚、手すりなどを利用して技を繰り出す。しかしこの種目の根幹は「乗ることができる新しい場所を探すこと」なんだとか・・・?
BMXフリースタイル・フラットランド
障害物のない平地で様々な技を魅せる。多くの場合は片方の車輪のみでバランスを取り、繰り出す技の芸術性を競う。
「大人と同じ遊びがしたい」という子供たちの貪欲さから生まれたこの競技。「遊び」から発展して「速さ」を追い求めるBMXレーシングや、「遊び」から「芸術性」へと発展したBMXフリースタイルなど、楽しみ方は様々。オリンピックという絶好の機会がある2020年に、この記事を新しい興味のきっかけとしていただければ幸いだ。