2024年12月17日〜21日の期間、UAE・アブダビを舞台に『2024 UCI アーバンサイクリング世界選手権』が開催された。
「UCIアーバンサイクリング世界選手権」とは、”都市に根付いた自転車競技”の世界選手権を、同時に開催する複合大会。
2024年大会は、下記3つの自転車競技の世界選手権が同時に開催された。
| 実施競技 | 本大会出場の日本選手 | 競技・種目説明 |
| ★BMXフリースタイル・パーク | 中村輪夢 小澤楓 松本翔海 小澤美晴 内藤寧々 |
紹介記事 |
| BMXフリースタイル・フラットランド | 佐々木元 荘司ゆう 片桐悠 伊藤真人 宮嶋歩菜 中川きらら |
|
| トライアル | 土屋凌我 濱野伊吹 市川琉那 横田宏太郎 山下虎威 |
紹介記事 |
※★：オリンピック種目
メダル2枚獲得！好成績を残した日本チーム
全3つの自転車競技に、日本から総勢16選手が参戦。
BMXフリースタイル・フラットランドに出場した宮嶋歩菜（女子）が金メダルを獲得し、本種目において日本女子史上初*のアルカンシェルを勝ち取った。
その他、BMXフリースタイル・フラットランドの2022年世界チャンピオンである佐々木元（男子）も銀メダルを獲得。
合計2枚のメダルを日本へ持ち帰る結果となった本大会のリザルトを一挙にお届けする。
※従来の日本女子最高順位は2019年大会石﨑光紗季による2位。
BMXフリースタイル・パーク 男子エリート
中村輪夢
2022年に本種目で日本史上初の世界チャンピオンに輝いた中村輪夢ら3選手が出場。
ローガン・マーティン（東京五輪・金）やホセ・トーレス ヒル（パリ五輪・金）ら強敵が出場するなか、中村は予選唯一の「88点台」をマークしトップで準決勝へ進出。
24人で行われる準決勝でも4位の得点を出し、決勝へ駒を進めた。
計2度の滑走をどちらとも90点台で走ってみせた中村だったが、3位のジャスティン・ダウェルに僅か「0.12点」及ばず4位でフィニッシュする結果となった。
優勝は「94点台」の脅威的な走りを見せたローガン・マーティン。自身3度目のタイトルを勝ち取った。
| 選手名 | 国 | 決勝ポイント | ||
| 1位 | ローガン・マーティン | MARTIN Logan | オーストラリア | 94.30 |
| 2位 | ホセ・トーレス ヒル | TORRES GIL Jose | アルゼンチン | 91.60 |
| 3位 | ジャスティン・ダウェル | DOWELL Justin | アメリカ | 90.74 |
| 4位 | 中村輪夢 | 日本 | 90.62 | |
| 29位 | 小澤楓 | 56.97（予選ポイント） | ||
| 37位 | 松本翔海 | 日本 | 40.60（予選ポイント） |
BMXフリースタイル・パーク 女子エリート
（左）内藤寧々（右）小澤美晴
小澤美晴、内藤寧々の2人が出場した女子エリート。
アメリカのハンナ・ロバーツが優勝し、2022年大会からの3連覇を達成した。
| 選手名 | 国 | 決勝ポイント | ||
| 1位 | ハンナ・ロバーツ | ROBERTS Hannah | アメリカ | 95.70 |
| 2位 | サン・スーベイ | SUN Sibei | 中国 | 94.06 |
| 3位 | ファン・シャオトン | FAN Xiaotong | 中国 | 93.72 |
| 15位 | 小澤美晴 | 日本 | 74.83 | |
| 20位 | 内藤寧々 | 日本 | 60.84 |
BMXフリースタイル・フラットランド 男子エリート
片桐悠
元世界チャンピオンである、佐々木元（2022年）、荘司ゆう（2023年）ら計4選手が出場。
伊藤真人
予選・準決勝ともに最高点をマークした荘司ゆうをはじめ、4選手全員が決勝へ進出する強豪国ぷりを見せた日本。
荘司ゆう
しかし決勝では荘司ゆうらは得点を落としてしまい悔しくも表彰台入りを逃す結果に。
佐々木元
予選から安定した得点を出していた佐々木が、決勝でも技を決め銀メダルを獲得。佐々木にとっては5大会連続*の表彰台入りを果たす結果となった。
※5大会連続：2019年大会〜2024年大会。2020年大会はコロナ禍のため中止。
| 選手名 | 国 | 決勝ポイント | ||
| 1位 | マティアス・ダンドワ | DANDOIS Matthias | フランス | 90.67 |
| 2位 | 佐々木元 | 日本 | 86.83 | |
| 3位 | ジーン・ウィリアム・プレボー | PREVOST Jean William | カナダ | 84.00 |
| 4位 | 荘司ゆう | 日本 | 83.70 | |
| 5位 | 片桐悠 | 日本 | 83.53 | |
| 6位 | 伊藤真人 | 日本 | 83.00 |
BMXフリースタイル・フラットランド 女子エリート
宮嶋歩菜
本種目では日本史上初の世界チャンピオンが誕生した。その名も宮嶋歩菜。
2024年春に高校1年生になったばかりの若手ライダーだ。
宮嶋歩菜
決勝では2位のヴェロニカ・カーダールに約10点差をつけるパフォーマンスを見せた宮嶋。
2023年からのエリートデビューを機に、全日本選手権やワールドカップなどでの優勝を経験し、ついに世界制覇も成し遂げた。
中川きらら
宮嶋とともに出場し予選をトップで通過した中川きららは、決勝でのパフォーマンスが振るわず4位。2022年からの3大会連続表彰台入りとはならなかった。
| 選手名 | 国 | 決勝ポイント | ||
| 1位 | 宮嶋歩菜 | 日本 | 73.67 | |
| 2位 | ヴェロニカ・カーダール | Veronika KÁDÁR | ハンガリー | 63.00 |
| 3位 | アンナ・モンディッチ | Anna MONDICS | ハンガリー | 60.00 |
| 4位 | 中川きらら | 日本 | 53.33 |
トライアル
日本では大会数も少なく、比較的まだ発展途上の自転車競技である「トライアル」。
しかし1986年に初のUCI世界選手権が実施されるなど、「アーバンサイクリング」として扱われる自転車競技の中では比較的早くに誕生した競技だ。
横田宏太郎
2024年大会には日本から5人が出場。日本トップの成績を残したのは、男子ジュニアの横田宏太郎。
20インチタイヤの車体を使ったカテゴリーにて準決勝を1位で通過。3年連続で進出した決勝で6位入賞を果たした。
濱野伊吹
その他、1国5人で総合ポイントを争うチーム戦にも出場した日本。
男子エリートの土屋凌我、濱野伊吹が高得点でチームを引っ張り、8か国中5位の成績を残した。
トライアル 男子エリート 20インチ
| 選手名 | 国 | 決勝ポイント （準決勝 合計ポイント） |
||
| 1位 | アレハンドロ・モンタルボ ミリャ | MONTALVO MILLA Alejandro | スペイン | 270（850） |
| 2位 | ボルハ・コネホス・バスケス | CONEJOS VAZQUEZ Borja | スペイン | 200（880） |
| 3位 | エロワ・パラウ | PALAU PINYANA Eloi | スペイン | 200（770） |
| 14位 | 土屋凌我 | 日本 | -（530） |
トライアル 男子エリート 26インチ
| 選手名 | 国 | 決勝ポイント （準決勝 合計ポイント） |
||
| 1位 | ジャック・カーシー | CARTHY Jack | イギリス | 270（880） |
| 2位 | チャーリー・ロールズ | ROLLS Charlie | イギリス | 250（860） |
| 3位 | オリバー・ウェイトマン | WEIGHTMAN Oliver | イギリス | 230（780） |
| 25位 | 濱野伊吹 | 日本 | -（260） |
トライアル 女子エリート
市川琉那
| 選手名 | 国 | 決勝ポイント （準決勝 合計ポイント） |
||
| 1位 | アルバ・リエラ ロウラ | RIERA ROURA Alba | スペイン | 210（770） |
| 2位 | ベラ・バロン | BARON RODRIGUEZ Vera | スペイン | 200（780） |
| 3位 | ニーナ・ライヒェンバッハ | REICHENBACH Nina | ドイツ | 180（790） |
| 10位 | 市川琉那 | 日本 | -（460） |
トライアル 男子ジュニア 20インチ
| 選手名 | 国 | 決勝ポイント （準決勝 合計ポイント） |
||
| 1位 | トラビス・アセンホ ハンダチコバ | ASENJO JANDACKOVA Travis | スペイン | 250（790） |
| 2位 | ギヨーム・カミュ | CAMUS Guillaume | フランス | 210（670） |
| 3位 | ビクトル・ペレス サモラ | PEREZ ZAMORA Victor | スペイン | 210（800） |
| 6位 | 横田宏太郎 | 日本 | 100（840） | |
| 14位 | 山下虎威 | 日本 | -（460） |
トライアル 男子ジュニア 26インチ
| 選手名 | 国 | 決勝ポイント （準決勝 合計ポイント） |
||
| 1位 | ロマン・サラウン | SALAUN Roman | フランス | 140（580） |
| 2位 | ヴォイテフ・ヘンドリヒ | HENDRYCH Vojtech | チェコ | 120（550） |
| 3位 | フェラン・ゴンサロ バケール | GONZALO VAQUER Ferran | スペイン | 120（610） |
トライル チーム
※ME：男子エリート, WE：女子エリート
※MJ：男子ジュニア, WJ：女子ジュニア
※20：20インチ, 26：26インチ
| 順位 /国 /総合ポイント |
選手名 | 選手カテゴリー | 個人ポイント | |
| 1位
スペイン 800ポイント |
エロワ・パラウ | PALAU PINYANA Eloi | ME20 | 200 |
| ジャノ サエンス・デ オルミハナ | SAENZ DE ORMIJANA LLANO | ME26 | 200 | |
| フェラン・ゴンサロ バケール | GONZALO VAQUER Ferran | MJ26 | 160 | |
| ビクトル・ペレス サモラ | PEREZ ZAMORA Victor | MJ20 | 130 | |
| ベラ・バロン | BARON RODRIGUEZ Vera | WE | 110 | |
| 2位
フランス 790ポイント |
ロバン・ベルキアッティ | BERCHIATTI Robin | ME20 | 200 |
| ナタン・シャラ | CHARRA Nathan | ME26 | 180 | |
| ギヨーム・カミュ | CAMUS Guillaume | MJ20 | 170 | |
| ロマン・サラウン | SALAUN Roman | MJ26 | 150 | |
| ニナ・ヴァーブル | VABRE Nina | WE | 90 | |
| 3位
ドイツ 730ポイント |
オリバー・ウッドマン | WIDMANN Oliver | ME26 | 170 |
| ヨナス・フリードリッヒ | FRIEDRICH Jonas | ME20 | 160 | |
| デニス・アルノルト | ARNOLD Dennis | MJ20 | 160 | |
| グスタフ・クリスト カール | CHRIST Carl Gustaf | MJ26 | 120 | |
| ニーナ・ライヒェンバッハ | REICHENBACH Nina | WE | 120 | |
| 5位
日本 570ポイント |
土屋凌我 | ME20 | 180 | |
| 横田宏太郎 | MJ26 | 170 | ||
| 山下虎威 | MJ20 | 90 | ||
| 市川琉那 | WE | 70 | ||
| 濱野伊吹 | ME26 | 60 |
UCI大会ページ
Photo：UCI BMX Freestyle 公式Facebook, UCI Trials 公式Facebook
