Q:変な聞き方で申し訳ないですが、世界チャンピオンになって有名になった実感はありますか?

うーん…僕の国ではラグビーがメジャーなスポーツです。
自転車のトラック競技で世界チャンピオンになれたのは、とても名誉なことですが、僕自身は有名人にはなっていませんね。生まれ育った町、首都のオークランドでは、普通の人として過ごせますし、今住んでいる首都から少し離れた小さな町ですら、少しの人が僕に気づく程度です。
でもね、これって素晴らしいことですよ!僕は今の状況が気に入っています。練習には集中できるし、どこでもランチにいけるし、自分自身であり続けられるからですね。有名になりたいとは少しも思っていません。自転車競技が好きだから続けているだけで、有名になるのは別の話ですから。

Q:なるほど、ちなみに自転車競技はニュージーランドでどの程度人気があるスポーツですか?

大体の人は自転車を持っていますが、競技というとなかなか難しいです。少しずつ浸透して来ているスポーツでしょうね。まあ新しいゴルフというか…(笑)
このスポーツの存在に皆が気づき始め、新しい機材を買い…少しずつですが、広まってきているスポーツです。自分が情熱を傾けるスポーツが育つ様を見るのは面白いですよ。ニュージーランドでのスポーツ知名度ランキングを作るとしたら、自転車競技は10位とかそんなところでしょう。スポーツ大国ニュージーランド(と自負していますが)で10位ならばそんなに悪くないと思いますよ(笑)

リスクを恐れず、一人の男として全力でチャンレンジし続ける

Text:Mizuki Ida
Photo:Shutaro Mochizuki