ネーションズカップ、東京2020オリンピック、世界選手権、UCIトラックチャンピオンズリーグ……様々な国際大会が開催された2021年。毎年のように活躍しているスター選手やベテラン選手だけでなく、新たに頭角を表す選手も多く登場した。
そこで本記事では、トラック競技において主に2021年に活躍した選手に注目し、現役で活躍している夫婦・きょうだい選手たちをご紹介していく。
ぜひ自転車競技やトラック種目を楽しむ上での新たなポイントとして、注目してみてはいかがだろうか。
ジェイソン・ケニー & ローラ・ケニー
過去の記事でも度々ご紹介してきた、イギリスの最強夫婦。2人が獲得してきたタイトルは数多く、世界選手権だけでも2人合わせて10回優勝。4年に1度のオリンピックでは合計12個の金メダルを獲得してきた。
短距離種目選手であるジェイソン・ケニー(2022年2月末に選手引退)は、初出場の2008年北京オリンピックでクリス・ホイらとチームスプリントに出場し優勝すると、続くロンドン、リオ、東京オリンピックでも金メダルを獲得。全4大会に出場し、クリス・ホイの持つイギリス人史上最多金メダルの6つを上回り、史上最も金メダルを獲得したイギリス人アスリートとなった。
一方のローラ・ケニーは中長距離種目のスペシャリスト。初出場のロンドンオリンピックではオムニアムとチームパシュートで優勝し、続くリオ、東京オリンピックでも金メダルを獲得。全3大会に出場し、金メダル獲得数は5個。歴代イギリス人女性アスリート中、同じく5つの金メダルを獲得した乗馬選手と並びトップタイとなった。
ちなみにローラ・ケニーの姉、エマ・トロットもプロロードレースで活躍した元選手。2018年からはイギリスチームのコーチを務める。
主な成績
ジェイソン・ケニー(1988年生まれ)
国内選手権トラック | 12回優勝 |
トラック ワールドカップ | 6回優勝 |
ヨーロッパ大陸選手権トラック | 1回優勝 |
世界選手権トラック | 3回優勝 |
オリンピック トラック種目 | 7回優勝 |
ローラ・ケニー(1992年生まれ)
国内選手権トラック | 11回優勝 |
国内選手権ロード | 1回優勝 |
トラック ワールドカップ | 17回優勝 |
ヨーロッパ大陸選手権トラック | 14回優勝 |
世界選手権トラック | 7回優勝 |
オリンピック トラック種目 | 5回優勝 |
※本記事内の「主な成績」はエリートカテゴリーでの成績。それ以外のものには(U21・ジュニア)等の記載を入れている。
参照:Cycling Archives(ジェイソン・ケニー), Cycling Archives(ローラ・ケニー), Cycling WEEKLY
エリア・ビビアーニ & エレナ・チェッキーニ
イタリア人選手同士のカップルで、共に世界選手権タイトルを持つエリア・ビビアーニとエレナ・チェッキーニ。2人とも(比重の偏りはあるが)ロード・トラックの両競技に出場する選手だ。
エリア・ビビアーニはジロ・デ・イタリアなどのグランツールに数多く出場し、ヨーロッパ選手権・ロードレースでの優勝歴を持つ。その傍らリオオリンピックのオムニアム、2021年世界選手のエリミネーションでも金メダルを獲得する、まさに二足の草鞋を履く選手である。
ロードでは2021年シーズンにUCIワールドチーム「チーム コフィディス」に所属しており、弟のアッティリオ・ビビアーニ(1996年生まれ)も同チームに所属。
(2022年シーズンは、「イネオス・グレナディアーズ」に所属)
一方のエレナ・チェッキーニは主にロードレースで活躍する選手。2018年のロード世界選手権・チームタイムトライルでは世界一に輝き、2022年もUCIウィメンズワールドチームとの契約を結んでいる。
ちなみにこの2人は、東京オリンピック開会式でイタリア代表選手団が入場する際の騎手を務めている。
主な成績
エリア・ビビアーニ(1989年生まれ)
国内選手権トラック | 8回優勝 |
国内選手権ロード | 1回優勝 |
ヨーロッパ大陸選手権トラック | 7回優勝 |
ヨーロッパ大陸選手権ロード | 1回優勝 |
世界選手権トラック | 1回優勝 |
オリンピック・トラック | 1回優勝 |
エレナ・チェッキーニ(1992年生まれ)
国内選手権トラック | 4回優勝 |
国内選手権ロード | 5回優勝 |
ヨーロッパ大陸選手権トラック | 1回優勝(ジュニア) 1回優勝(U23) |
ヨーロッパ大陸選手権ロード | 1回優勝(ジュニア) 1回優勝 |
世界選手権トラック | – |
世界選手権ロード | 1回優勝 |
参照:Cycling Archives(エリア・ヴィヴィアーニ ), Cycling Archives(エレナ・チェッキニーニ)