いよいよ10月20日よりスタートする『2021世界選手権トラック』。選手たちは約1週間前にフランスに到着し、大会本番に向けての調整とトレーニングを行ってきた。
大会の前日に選手たちへインタビュー。パリオリンピックに向けた次世代選手たちの意気込みを伺った。本記事はその後編、中長距離編だ。
短距離編はコチラ
橋本英也
Q:体調やコンディションはいかがですか?
今回の出場種目は大会の後ろの方で行われるので、本番までかなり余裕がある状況です。フランスで良いトレーニングをしながら、リラックスして過ごせています。
今日のモーニングライドはベルギーの朝市まで🇧🇪🧇 pic.twitter.com/ythqDSW4Ig
— Eiya Hashimoto (橋本英也) (@Eiya_Hashimoto) October 16, 2021
Q:トラックの印象はどうですか?
伊豆ベロドロームやJKA250とは違うなあとは思うものの、しっかりトレーニングできています。タイムを競う種目ではないので、あまり影響はないかなと思います。
Q:東京2020オリンピックを終え、何ヶ月か経ちました。オリンピックをどのように消化しましたか?
東京オリンピックは僕の想像していた通りの結果を出せなかった、過去のものになっており、ここから次のパリに向け、どうやっていくかが重要だと思っています。これがオリンピック後初の大会ですが、ひとつでもメダルを持ち帰れるようにがんばりたいです。
Q:東京オリンピックで見た景色はどうでしたか?
良かったです!観客も入れてもらえて、そして走らせてもらったことが一番ありがたいことだと思います。
Q:いよいよ世界選手権が始まりますが、心境は?
リラックスしています。まだレースまで時間があるのでまだパッションは湧いてきていませんが、レースに向けて良い状態だと思います。
Q:どのようなレースをしたいですか?
オリンピックではカツカツになってしまったというか、周りを見る余裕がない感じでした。そこまでいかないように、水が溢れないように走っていきたいなと思います。
そのために、まずはレースを「無理しない」ことが必要かなと。オリンピックでは他の国より体力があると思って、ガンガン行って反動がきてしまいました。そこを無理せず、最小のエネルギーで最大の結果を狙っていきたいです。
Q:目標は?
オムニアムはメダルを目指します。オリンピックのポイント選考に絡まない大会なので、ここでどのような走りができるかが楽しみです。
Q:この大会をどのような大会にしたいですか?
オリンピックがよくなかったので、今回の世界選手権で良い結果を持ち帰って次への助走に繋げたいと思います。リラックスして、オリンピックと同じ失敗をしないことにフォーカスしていこうと思っています。
窪木一茂
Q:フランスに到着して1週間ほど経ちますが、コンディションはいかがですか?
直前はちょっと良くなかったんですが、今はいつも通りの調子に戻りつつあります。
Q:トラックの印象はいかがですか?
ストレートは長いですけど、中長距離種目に関しては気にならないかなと思います。走りにくいとも特に感じませんでした。
Q:東京オリンピックをどのようにご覧になりましたか?
今年競輪にデビューして、ちょうど競輪の忙しいタイミングと被っていました。正直そんなに見れていなかったですね。自分が出ていないしと思って……でも年々タイムが飛躍的に伸びていて、中長距離においては持久力がより求められています。現状ではそのレベルに足りないなと感じました。
Q:この世界選手権で次のパリへ向けての一歩が始まるわけですが、心境の方は?
緊張はしていませんし、メダルを目指すチャンスがあると思います。やることをやるだけですね。
Q:出場種目はスクラッチですね。
はい。周りをしっかり見ながら走ることに注意して、きちんと力を発揮できれば、優勝のチャンスもあるかと思います。
Q:世界選手権は久々ですよね。この雰囲気はいかがですか?
競輪に行っており、競技の大会は久しぶりです。こういった舞台に戻ってこれたことがまず嬉しいですね。
Q:この大会をどんな大会にしたいですか?
スクラッチのみの出場ですが、ベストを尽くすしかないです。メダルを持ち帰ることが出来るようにがんばります。
今村駿介
Q:体調はどうですか?
体調は良いですし、世界選手権に向けていつも以上にトレーニングしてきました。コンディションも良い感じです。
Q:少し特徴のあるバンクですが。
直線がすごく長いので、ペーシングの部分で少し苦労しました。今はコツを掴めているので、ばっちり合ってる感じがします。
Q:東京オリンピックはどのように見ていましたか?
チームパシュートに関しては、2020年の世界選手権でもそうではあったんですが、各国の力が上がってるのが目に見えました。個人個人の力が上がっていて、それはオムニアムでもそうでしたね。レース速度も上がっていて、展開も目まぐるしく変わって、強い人たちだけで前に前に行ってしまう。フィジカルの差を感じました。
Q:3年後、自分がそのようなレースの中にいる姿は見えますか?
あれだけ高いレベルのレースを見せられたわけですが、それでも「やれる」と思えます。モチベーションが高まった大会でした。観戦できて良かったなと思います。
Q:パリへの第一歩となる大会ですが、心境は?
これまでも世界の選手たちと戦う機会はありましたが、今回出場する個人パシュートは、一番走力の差が出る種目だと思います。まずは自分の限界値で走って記録を更新すること、自分の今の力を知ることを目指します。ここに向けて調整してきましたので、楽しみにしています。
Q:今の記録は?
公式では4分20秒ですが、練習では16秒まで出しています。日本記録更新を狙っていきたいです。
※現在の日本記録は4分15秒889(窪木一茂/2019年)
記録のためにはライン取りがまず重要となります。あと、最初に突っ込みすぎないこと。世界的には先日4分を切る記録も出たので、その辺を考えると、しっかりとペーシングをすることが大事かなと思います。
今大会では4分12秒を目標としています。機材もいろいろ試して……計算上ではいけるはずです。
Q:この大会をどのような大会にしていきたいですか?
本当ならオムニアムに出て自分の力を試したかったのですが、ポイントが足りなく出場ができませんでした。出場させてもらえる個人パシュートで、まずは記録を更新することが第一歩になると思います。若い選手たちが参戦する中で自分がどう走れるかをシミュレーションしながら、レース観戦をしていきます。