1ページ目へ

2/3 Page

「WCC」から東京オリンピックに出場したトラック選手

ジーン・スパイズ Jean Spies (RSA), Men's Sprint Qualifying AUGUST 4, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

「UCIワールドサイクリングセンター(WCC)」が支援・育成を行なってきた選手の中から、以下の男子4人の選手が東京2020オリンピックトラック種目への出場を果たしている。なお、4人全員がオリンピック初出場である。

名前 国名 生年月日 東京オリンピック
出場種目
結果
ニコラス・ポール トリニダード・トバゴ 1998/9/23 スプリント
ケイリン
6位
失格
クウェシ・ブラウン トリニダード・トバゴ 1994/1/31 スプリント
ケイリン
30位
9位
ジャイール・ジョンエンファ スリナム 1993/10/19 スプリント
ケイリン
13位
4位
ジェーン・スパイズ 南アフリカ 1989/11/27 スプリント
ケイリン
27位
27位

ニコラス・ポール(トリニダード・トバゴ)

ニコラス・ポール Paul Nicholas (TTO), Men's Sprint Qualifying AUGUST 4, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

主な成績

開催年 大会名 種目 結果
2016 CACゲームズ チームスプリント 優勝
2017 パン・アメリカ大陸選手権 チームスプリント 2位
2019 パン・アメリカ大陸選手権 スプリント 優勝
2019 パン・アメリカンゲームズ チームスプリント 優勝
2019 パン・アメリカンゲームズ スプリント 優勝

クウェシ・ブラウン(トリニダード・トバゴ)

クウェシ・ブラウン Kwesi Browne (TTO), Men's Sprint Qualifying AUGUST 4, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

主な成績

開催年 大会名 種目 結果
2016 CACゲームズ チームスプリント 優勝
2017 パン・アメリカ大陸選手権 チームスプリント 2位
2018 パン・アメリカ大陸選手権 ケイリン 3位

カリブ海の島国、トリニダード・トバゴ出身のニコラス・ポールとクウェシ・ブラウン。同国から東京オリンピック自転車競技に出場した、唯一の男子選手たちだ。

ポールは2019年に開催された「パン・アメリカ大陸選手権」にて、200mFTTで9秒100を記録し世界記録を更新。東京2020オリンピックを終えた2021年9月現在でもこの記録は破られておらず、現世界記録保持者となっている。

一方のブラウンはケイリンを得意とし、アメリカ大陸だけでなくヨーロッパ諸国を含む世界各地でのレースを経験してきた。ブラウンは以前、「伊豆ベロドローム」にて開催された「2016 ジャパン・トラック・カップ II」の男子エリート・スプリント種目にも出場しており、河端朋之(5位)や小原佑太(14位)らが出場する中、6位に着けた選手である。

トリニダード・トバゴは2015年に完成した国内唯一の屋内ベロドロームを持つものの、コーチやトレーナー、メディカルスタッフなどの人的資源が十分でない。2人は、「WCC」の存在について以下のように語っている。

「ここにはトレーニングに共に励む仲間がいる。私生活も共に送ることで常にお互いを刺激し合っている」(ニコラス・ポール)

「トレーニングを行う場所にはいつもメディカルスタッフがいてくれる。だからこそ自分を限界まで追い込むことができる」(クウェシ・ブラウン)

参照:『2016 ジャパン・トラック・カップ II』 , 2016 CAC Games , 2017 Pan-American Championships , 2018 Pan-American Championships , 2019 Pan-American Championships , TT National Cycling Velodrome

ジャイール・ジョンエンファ(スリナム)

ジャイール・ジョンエンファ Jair Tjon En Fa (SUR), Men's Sprint Qualifying AUGUST 4, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

主な成績

開催年度 大会名 種目 結果
2016 パン・アメリカ大陸選手権 スプリント 2位
2017 パン・アメリカ大陸選手権 スプリント 3位
2019 パン・アメリカ大陸選手権 スプリント 2位

13歳で自転車競技を始めたものの、自国にベロドロームがないため18歳の時にアメリカに移住。その後2019年に参加した「WCC」でのトレーニングキャンプにて、東京2020オリンピックを目指すための正式な「WCCアスリート」として、スイスに留まりトレーニングを継続するオファーを受けた。

2019年に出場した「パン・アメリカ大陸選手権」では、スプリント予選の200FTTで9秒249を記録し世界記録を更新したものの、同大会後発のニコラス・ポールに塗り替えられてしまった。

ジャイール・ジョンエンファは、「WCC」について以下のように語っている。

「マイアミに移住した後も、トレーニングは1人かコーチと2人だけで行っていた。でも、WCCにはお互いを刺激し合える仲間がいる。今まで、試合にチームとして参加することや、メカニックが同伴してくれることなんてまずなかったことだから、素晴らしいよ。その差はすごく大きい。

ずっとオリンピックに憧れていたけど、ベロドロームを持たないスリナムからの出場は不可能に等しかった。でもロンドンオリンピックで(トリニダード・トバゴの)ヌジサネ・フィリップ選手を見て、自分にもできるはずだと思ったんだ。それがオリンピック出場を目指し始めたきっかけだよ」

参照:2019 Pan-American Track Cycling Championships , 2017 , 2016

ジーン・スパイズ(南アフリカ)

ジーン・スパイズ Jean Spies (RSA), Men's Sprint Qualifying AUGUST 4, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

主な成績

開催年度 大会名 種目 結果
2017 アフリカ大陸選手権 スプリント
ケイリン
1kmTT
チームスプリント
チームパシュート
優勝

オリンピック出場を目指して2019年に「WCC」のプログラムに参加したジーン・スパイズは、以下のようにコメントを残している。

「仲間に恵まれているよ。毎日世界チャンピオンとレースしているような感覚。楽しくてすごくハードで、本当に有意義な機会だよ」

WCCを支える「サテライトセンター」

2/3 Page