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香港が身にまとう花
香港は……割とちょくちょくスキンスーツのデザインを変更している。
細かなデザイン変更をする国は少なくないが、香港は大胆にメインカラーまで変えてしまうのだから面白い。しかしそんな中で、変わらずに使われているのは「花」のモチーフだ。
区旗にも描かれるこの花は、香港の象徴である「バウヒニア」。
1842年のアヘン戦争の結果、清はイギリスに香港を割譲。以降香港は1997年まで(途中日本軍が占領した時期もあるが)イギリス領であった。現在は中国に「高度な自治」を認められる形で「香港特別行政区」となっている。
バウヒニアはまだイギリス領だった時代に、香港市の花として選ばれた。バウヒニアは香港蘭とも呼ばれ、冬の公園などに咲く、市民にも馴染み深い花だ。
香港返還に際し、これが区旗(国ではないので、区旗だ)のモチーフとして採用された。なお、区旗デザイン公募から公式掲揚までは約10年の歳月がかかっている。
オリンピックで使用されたスキンスーツには、チラリと星マークも見られる。星は中国の国旗にも使用されているモチーフで、特別行政区という特殊な立場である香港の「らしさ」があらわれたデザインとも言えそうだ。
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