決勝
2日間にわたる激戦を勝ち上がって決勝に進んだのは、オーストラリアのマシュー・グレーツァー、イギリスのジェイソン・ケニー、ドイツのマキシミリアン・レビ、マレーシアのアジズルハスニ・アワン、今大会2つの金メダルを獲得しているオランダのハリー・ラブレイセン、そしてスリナムのジャイール・ジョンエンファの6選手。
周回中の並びは先頭にイギリスのケニー、2番目にオーストラリアのグレーツァー、3番目にドイツのレビ、4番目にオランダのラブレイセン、5番目にマレーシアのアワン、そして最後尾の6番目にスリナムのジョンエンファ。
レースは残り3周。ペーサーが隊列から離脱すると同時に、レースは思いがけない展開を見せる。先頭のケニー(イギリス)との距離を開ける2番目のグレーツァー。そして後続の選手たちも動かず牽制状態となる。大きく単独で先頭となったケニーは、後続の状態を見て一気にスパートをかけてしまう。
これはチャンスと加速するケニー。グレーツァー以下もケニーを追ってスピードを上げるが、残り2周を切ったところでその差は30mほど。そして残り1周、ケニーがパワー全開で逃げていく。
後続の集団からはラブレイセンとアワン(マレーシア)が抜け出しケニーを追うが・・・・。
ケニー背中は遠く、なんとそのまま逃げ切って金メダル獲得となった。
2位にはケニーを追うラブレイセンを最後に追い抜いたマレーシアのアワン。3位はオランダのラブレイセンという最終結果となった。
イギリスの強豪スプリンター、ジェイソン・ケニー。前回のリオオリンピックでは出場した3種目すべてで金メダルという偉業を達成。オリンピックには2008年の北京大会から4大会連続で出場していて、獲得した金メダルの数は今回で7個目となった。
15 Olympic medals in one photo.
🥇🥇🥇🥇🥇🥇🥇🥇🥇🥇🥇🥇🥈🥈🥈#TeamGB #Tokyo2020 pic.twitter.com/JV6bepQruV
— British Cycling (@BritishCycling) August 8, 2021
2000年のシドニー五輪から正式種目として採用された『ケイリン』。初代チャンピオンはフロリアン・ルソー(フランス)、2004年はライアン・ベイリー(オーストラリア)、2008、12年はクリス・ホイ(イギリス)、そして2016、2021はジェイソン・ケニー(イギリス)と日本発祥の夏季五輪種目は近年イギリスに支配されている。日本の最高位は2008年北京五輪での永井清史の銅メダル。パリ五輪に向けて、競輪発祥国として、日本は巻き返しを図らなければならない。
Text:伴達朗