ハイスピード展開
レースはスタート直後からイギリスがスピードを上げて集団を抜け出し、それを他のチームが追うことによってハイスピードな展開となった。そして10周に1回訪れるスプリント周回においても、イギリスは最初から攻めの姿勢を貫き、貪欲に1着通過を狙っていった。
序盤の4回のスプリント周回でイギリスは、1着5ポイントを3回、3着2ポイントを1回と着実にポイントを重ねる。このイギリスの攻撃的な走りに対抗できたのはオランダ、フランス、イタリアなど強豪と呼ばれる数チーム。
しかしハイスピードな展開ゆえに起こる落車に巻き込まれるなど不運も重なり、なかなかイギリスの勢いは止められない。
そんな中、こうした展開についていけず周回遅れになってしまうチームも次第に増えてくる。
梶原悠未・中村妃智の日本チームもこれに含まれ、結局残り50周となる手前で、すでに2周の周回遅れとなっていた日本は、審判からレース除外を宣告されてしまった。
レースは終盤に入ってもイギリスの勢いは止まることはなかった。残り10周を切って暫定トップのイギリスのポイント数は68。暫定2位のデンマークが35。その差は33ポイントですでに勝利は確定していた。
しかしイギリスは、最終スプリントでもその力を見せつけるように集団の先頭に躍り出て1着でフィニッシュ。まさに圧巻の完全勝利を飾った。
日本チームの成績はDNF(Did Not Finish=フィニッシュしなかった)で最下位の13位という結果だった。
日本チームのメンバーの1人、梶原悠未はこのあと、オリンピック最終日となる8日に行われる女子オムニアムに出場する。梶原はこの種目の現世界チャンピオンだ。
Text:伴達朗
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