1回戦 小林優香のレース
この日行われた勝ち上がり戦は1回戦のみ。全部で5レースが行われ、各レース2着までがそのまま次の準々決勝に進出。3着以下は敗者復活戦回りとなる。
これがオリンピック初レースとなる小林優香。1回戦第4レースの出走がコールされると、ゆっくりとトラックに上がり、ブノワ・ベトゥヘッドコーチが持つ自転車の前で一度大きく深呼吸。そして自分の両腿を2回強く叩いて刺激を与え、自転車にまたがった。
小林が準々決勝進出をかけて戦うメンバーは、リトアニアのシモーナ・クルペツカイテ。オランダのシェーン・ブラスペニンクス。ニュージーランドのエルレス・アンドリュース。ポーランドのマルレーナ・カルワッカ。ウクライナのオレナ・スタリコワ。そして小林優香の6選手。
周回中の並びは前から、スタリコワ(ウクライナ)、小林優香、カルワッカ(ポーランド)、クルペツカイテ(リトアニア)、アンドリュース(ニュージーランド)、そして最後尾にブラスペニンクス(オランダ)の順。
残り3周となるホームでペーサーが離脱すると、6人は臨戦態勢に入った。最初に動き出したのは最後尾にいたオランダのブラスペニンクス。外側からスピードを上げて前に出る。
この動きに合わせてレーススピードは一気に上がり、フィニッシュに向けた6人の戦いが始まった。依然2番目の位置をキープする小林は後方の動きを警戒しながら踏み出しのタイミングを測る。
そして迎えた最終周回。先頭はウクライナのスタリコワ。2番目に小林。そして外にコースを取り追い上げに入った3番目のブラスペニンクス。
小林としては、2着以内の勝ち上がり権利を手にするためにはここでブラスペニンクスを前に出すわけにはいかない。小林はやや外にコースを取りブラスペニンクスの動きを押さえながら、そのまま2着でフィニッシュ。
慌てず焦らず、冷静なレース運びで準々決勝進出を決めた。
敗者復活戦を終わって、小林を含む18人が5日に行われる準々決勝進出を決めた。
準々決勝は全部で3レース。各レース4着までが次の準決勝へ勝ち上がる。
Text:伴達朗
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